自然観察・コラム

アズマイチゲ 「北海道の花」

春先に咲く花の代表種「アズマイチゲ」をご紹介いたします。

北海道では雪解け後の春に咲く花で、季節感を感じさせてくれる山野草の一つです。

アズマイチゲとは

名称:アズマイチゲ(東一華)
学名:Anemone raddeana
分類:キンポウゲ科 イチリンソウ属

高さが15~20cmの多年草で、分布は北海道、本州、四国、九州。国外では、朝鮮、樺太、ウスリー地方です。

名前の由来

名前の由来は、「アズマ(東)」が関東、「イチゲ」が1本の茎に1輪だけ咲く、という事からつけられた名前です。

また別名「雨降花」とも呼ばれ、この花を摘み取ると雨が降るという説があります。

アズマイチゲの特徴

葉先は不明瞭に切れ込むものもあれば、はっきり切れ込むタイプもあって個体差があります。

葉が垂れ下がっている事が多く、その姿がなんとも可愛らしい花です。

また日当たりの悪い場所では、しぼんでいる事も多いですが、日当たりの良い場所では大きく花を広げます。

花は1個、白い花びら状のがく片が8個~13個ほどつきます。

この花は、花糸(かし)の根元の濃い青色を楽しむのが、鑑賞のポイントです。

日当たりの良い日にはぜひ注目してみて下さい。

開花前~開花直後

花茎(かけい)には、開花前までは長軟毛(ちょうなんもう)がありますが、開花するころには無くなっています。

開花後に残る場合もありますが、次第に無くなっていきます。

まだ完全に葉が開ききっていない時の姿も、なんだか可愛らしい感じですね。

写真を見ると、葉の下の毛は無くなっていますが、花の付け根にはまだ毛が残っています

同じ早春に咲く「キクザキイチゲ」も似ている花ですが、こちらの「アズマイチゲ」の方が個人的には好みです。

葉が垂れ下がって、なんだか控えめな感じが、キクザキイチゲに比べてやや上品な印象の花です。

果実期

アズマイチゲの集合果(しゅうごうか)です。

花の後、花柄(かへい)は根元からだらっと垂れ下がります。

痩果(そうか)の集合果で倒卵形(とうらんけい)、曲がった花柱が目立っていますね。

あまり結実率は高くない印象なので、見つけた際はぜひ鑑賞してみて下さい。

※倒卵形は卵を逆さにした形の事

花の外側には紅色を帯びる?

とある植物図鑑に「外面は紅色を帯びる」の文章があったので、探してみるとありました。

確かに、がく片の裏側がやや赤みを帯びています。

スプリングエフェメラルの1種

アズマイチゲは春先に咲き、森の葉が芽吹いて茂る頃には地上部は枯れて、その後は翌春まで地中の地下茎で過ごすスプリング・エフェメラルと呼ばれる種類の一つです。

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アズマイチゲとキクザキイチゲの見分け方

別記事に詳しく解説しましたので、ご興味のある方は御覧ください。

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