登山・ハイキング

登山と筋肉の関係性を解説

今回は登山に関係する筋肉の役割について解説したいと思います。

筋肉をつけることで、山でのトラブルを回避できたり、楽に登れるようになったりと、様々なメリットがあります。

登山後によく筋肉痛になる方は必見ですよ!

登山で使う筋肉

登山は全身運動ですが、特に下半身の大腿四頭筋(だいたいしとうきん)ハムストリングス大殿筋(だいでんきん)ふくらはぎが主に使われている筋肉です。

・大腿四頭筋(ふとももの前面)

体重やひざ関節を支える筋肉で、登山で一番使う筋肉です。
膝関節の進展股関節の屈曲に関与しています。

・ハムストリングス(ふとももの後面)

登山に重要な、膝の屈曲や安定性に関与しています。

・大殿筋(おしりの筋肉)

股関節の進展に使う筋肉で、歩行に使われる筋肉です。

・ふくらはぎ

足関節の底屈に関与し、こちらも歩行に使われる筋肉です。

これらの筋肉を細かく覚えなくても良いですが、だいたいどのあたりの筋肉を使っているか理解すると、登山後のストレッチ(整理体操)を効果的に行う事が出来ます。

画像提供:イラストAC

速筋と遅筋

筋肉の繊維は、速筋(そっきん)遅筋(ちきん)に分けられます。

『速筋』
・瞬発的に大きな力を発揮できるが、疲れやすい。
・短距離走や筋トレなどの無酸素運動で使う筋繊維
・使うと増えて太くなり(筋肥大)、使わないと細くなる
・速筋繊維は柔らかい(ダイナミックな動きをするため)

『遅筋』
・強い力は出せないが、一定の力を長時間発揮して、持久力がある。
・マラソンやウォーキングなどの有酸素運動で使う筋繊維
使っても太くならないが、エネルギーの生産効率が上がる
・遅筋繊維は固い(大きく動かないため)

登山は主に遅筋が使われ、長い時には10時間以上歩くこともあり、持久力が求められるスポーツです。

著名な登山家やシェルパなどがスリムな体系をしているのは、上記を見ていただければ納得だと思います。

逆に、ボディービルダーのような体形では、体重も重くなり、エネルギー効率も悪く(筋肉量が多いと基礎代謝が増えるため)、とても不利になってしまいます。

またマラソンランナーや登山家は遅筋繊維の割合が多いため、短距離走などのスプリンターに比べ、やや体が硬い傾向があります。

意識的にストレッチを行い、柔軟性を高めることは、怪我の予防として有効だと思います。

登山のトレーニング

登山の効果的なトレーニングは登山が一番良いと言われています。

自転車やマラソンなどの持久系の運動でも鍛えられそうですが、そんな簡単な話ではないようです。

それは、登山の際の筋肉運動が、他のスポーツや筋トレなどでは、使う頻度の少ない運動、というのが一番の理由になります。

登山で重要な大腿四頭筋(ふとももの前面の筋肉)の運動は、コンセントリック収縮(短縮性収縮)と、エキセントリック収縮(伸張性収縮)に分けられます。

『コンセントリック収縮』
・筋肉が縮む時に、筋力を発揮している状態。
・登山の際は登りの時の運動
遅筋繊維が優先的に使われる

『エキセントリック収縮』
・筋肉が伸びている時に、筋力を発揮している状態。
・主にブレーキに使う動作で、登山の際は下りの運動
・コンセントリックに比べ、筋肉への負荷が大きい
速筋繊維が優先的に使われる

登山における下山時(エキセントリック収縮)のようなブレーキをかける運動は、他のスポーツではあまりみられません。

普段、他のスポーツで体を動かしている方が、たまに登山をすると筋肉痛になってしまうのはここに原因があるわけですね。

そのため、平地のハイキングやマラソン・自転車などではなく、高低差のある山を登山するのがトレーニングに一番最適というわけなんです。

さらに負荷をかけたい方は、ザックを重くすると、よりトレーニング効果が高まります。

特に高齢者の方は速筋が衰えやすいので、登山中の下り(エキセントリック収縮)は、筋肉を鍛える良いトレーニングになります。

ただし、エキセントリック収縮は筋肉への負荷が大きいため、怪我には要注意です。

トレーニングの頻度

登山に限った実験データでは無いですが、スペインのバスク地方の研究で下記のようなものがあります。

Departamento de Investigación y Desarrollo, Servicios Médicos, Athletic Club de Bilbao

筋トレをさぼって日常生活を送った場合、2~3週間筋肉が落ち始めるそうです。
※病気で寝たきりという場合は除く

トレーニングをさぼっている時に、軽い運動などをした場合は、さらに筋肉が落ちる始める日数が伸びたそうです。

この研究で分かったのは、『意外と筋肉は落ちづらい』ということです。

普段お会いしているお客様には、『1週間に1回ぐらいは近場の山(藻岩山)でも登っておいてくださいね。』と言ってますが、この研究を見ると、忙しい方は2~3週間に1回の登山でも筋力の現状維持には問題なさそうですね。

忙しくてそんなに登山に行けない方は、スクワット階段の昇り降りなどで、トレーニングすると、筋力維持に効果的です。

筋肉は水を溜めるダム

筋肉の80%は水分で出来ており、細胞内に水を溜めています。

高齢者に脱水症状が多いのも、若者より筋肉量が少ないということが要因の一部になっています。

登山では、汗や呼気から大量の水分が失われるので、適切な筋肉量をつける・維持することが有効です。

よく登山中に足を攣りやすい方は、脱水が原因の可能性もあるので、筋力をつける事で改善出来るかもしれません。

ちなみに脂肪は20%が水分なので、蓄えても効果は薄いと思います!

まとめ

・登山のトレーニングは登山が一番良い!

・筋力維持のために2~3週間に1回は登山しよう!

・筋肉をつけることで、脱水症予防になる!

高齢者ほど登山をオススメしたい3つの理由普段から登山ガイドとして、たくさんの方々のガイドをさせてもらっていますが、お客様とお会いする度に、とても人生を楽しまれているといった印象...

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