今回は緑岳から高根ヶ原を通り、トムラウシ山まで歩く縦走ツアーのレポートです。
初日以外は天候に恵まれた登山となりました。
トムラウシ山とは
トムラウシ山は美瑛町と新得町の境界に位置する標高2141mの山です。
日本百名山にも制定され、奥深い山にはたくさんの貴重な自然環境が残されている山です。
登山口
今回は大雪高原温泉から入山しました。
日帰りの方は、トムラウシ温泉の短縮登山口からのピストンが一般的です。
縦走の場合は旭岳からトムラウシ山までのコースが人気ですが、私のお客様はほとんどが北海道内なので、百名山にこだわらず、最短で高根ヶ原を歩けるコースを選択しました。
下山口
下山口はトムラウシ短縮登山口へ。
トムラウシ山を日帰りで歩く方はほとんどがこちらから登ります。
ルート図
【1日目】
大雪高原温泉から緑岳を経由し、宿泊地の白雲岳避難小屋まで向かう行程です。
【2日目】
白雲岳避難小屋を出発し、高根ヶ原、忠別岳、五色岳、化雲岳と経由して、宿泊地のヒサゴ沼まで向かいます。
【3日目】
ヒサゴ沼を出発し、トムラウシ山の山頂を経由して短縮登山口へ下山する行程です。
登山道の様子(2021/7/13~15)
初日の緑岳は曇天ですが、午後からスコールのような雨が降る予報。
足早に避難小屋を目指します。
結局、雨から逃げきれずに、そこそこびしょ濡れになりました。
混雑していましたが、ありがたい事に避難小屋を使わせていただく事が出来ました。
小屋の周辺はキバナシオガマなどを始めとした花の盛りです。
翌朝、良いお天気になりました。
この日は1週間ぶりぐらいに晴れたとの事で、とてもラッキーでした!
また、小屋の管理人で、人気イラストレーターの「鈴木みき」さんと一緒に写真を撮ってもらいました。
お忙しい所、ありがとうございました。
トムラウシ山を眺めながら歩く、なんとも贅沢な登山道が続いていました。
こんな良い条件で高根ヶ原を歩くのは久しぶりです。
稜線上は、「チシマキンレイカ」や「エゾハハコヨモギ」などが目立ちます。
数は少なかったですが、「カラフトゲンゲ」も咲いていました。
とっても密に咲いている「コマクサ」の群落を発見!
青の色味が素敵な「リシリリンドウ」。
副片がのど部をふさぐ、不思議な見た目のお花です。
忠別岳(ちゅうべつだけ)とその下に忠別沼(ちゅうべつぬま)が見えてきました。
風の無いコンディションで、忠別沼が水鏡になり、逆さ忠別岳が映っています。
忠別岳山頂。
少し雲が湧いてきました。
ミヤマオグルマの群落。
クロユリも数株見つけました。
化雲平(かうんだいら)から見るトムラウシ山。
徐々に近づいてきました。
ほとんど終わっていましたが、少しだけ残っていた「ホソバウルップソウ」。
化雲岳山頂直下を歩く参加者の皆さん。
化雲岳(かうんだけ)山頂に到着。
この山頂にある大きな化雲岩は、遠くからでも良く目立つので、山座同定に役立ちます。
山頂から少しヒサゴ方面へ降りると、この光景が飛び込んできました。
全員が思わず感嘆の声を上げるほど、見事なチングルマのお花畑と木道、その向こうにトムラウシ山という素晴らしい風景です。
あまりに素敵な道なので、皆さんにモデルになってもらいました。
2日目の宿泊地、ヒサゴ沼が見えてきました。
小屋も特別混雑無く、無事に二日目終了です。
3日目、ヒサゴ沼からすぐにある雪渓の登りからスタートです。
雪渓が終わると、巨岩地帯へ。
ヒサゴ沼を見下ろす位置まで来ました。
東大雪の山々の眺めが綺麗です。
天の沼と書いて、天沼(あまぬま)。
このあたりの登山道は雰囲気が良いポイントです。
ロックガーデンを越え、北沼とトムラウシ山が見えてきました。
トムラウシ山山頂到着!
良いお天気のまま無事に登頂出来ました。
下山は短縮登山口へ。
最後は暑さにバテましたが、無事に最後まで歩ききりました。
体調不良者もいた中、何事も無く終了出来て良かったです。
まとめ
今回のルートの注意点をまとめてみました。
- 高根ヶ原は風が強いポイントなので、強風時は要注意!
- 7月の大きな雪渓は⓵ヒサゴ沼から縦走路に上がる箇所、⓶コマドリ沢の2ヶ所。本州グループは軽アイゼン利用でした。
- 水場は各所にあり。浄水器があると便利です。
日帰りのトムラウシ山ピストンでは味わう事の出来ない、魅力を満喫出来るルートです。
ぜひ一度は歩いて欲しい行程です!
最後まで、御覧いただきありがとうございました。
登山・ハイキング倶楽部では、登山ガイド・森林インストラクターの橋本竜平がご案内する、会員制のガイドツアーを実施しております。
顔が見える範囲の少人数制で、自然を楽しみながら歩くことを目的として立ち上げた倶楽部です。
もしよろしければ、一緒に山歩きを楽しんでみませんか?