幌加コースを利用して、テント泊でニペソツ山へ登るツアーに行ってきました。
その時の登山道の様子も含め、今回ご紹介したいと思います。
ニペソツ山とは
ニペソツ山は標高2013mで、東大雪の最高峰になります。
鋭い山容で、見ても登っても素晴らしいファンの多い山の一つで、日本二百名山にも選ばれています。
日本百名山を制定した深田久弥は、百名山制定後にニペソツ山に登り、「実に素晴らしい山だった」と評価しており、もう少し早く登っていれば百名山に間違いなく入っていたとも言われています。
また日本国内ではニペソツ山より東に2000m峰は無く、国内最東端の2000m峰になります。
幌加温泉コースとは
ニペソツ山への登山ルートは、十六ノ沢(杉沢)コースを使うのが一般的でしたが、2016年夏の台風で登山口に至る林道が壊滅的な被害を受けてしまいました。
復旧の見込みが無い事から、長らく廃道化していた幌加(ほろか)コースを再整備して、2018年から利用できるようになりました。
アクセス
国道273号から幌加温泉へ向かう道路の途中に、登山口まで向かう林道が分岐しています。
林道に入って200mで登山ポストと簡易トイレのある林道ゲート、さらにゲート開放時には約2㎞先の登山口まで入る事が出来ます。
ゲートから先の林道は道が荒れているので、運転する際は注意が必要です。
とりあえず、私の運転したハイエースは問題無く入れました。
GPSログ
今回は前天狗でテント泊して、翌日山頂にアタックして下山する行程にしました。
ツアーのゆっくりペースですが、下記の通りでしたので参考にしてみて下さい。
【1日目】
「登山口」 9:35 ⇒ 11:12 「三条沼」 11:25 ⇒ 13:22 「展望台」 11:35 ⇒ 14:00 「1662mコブ」 ⇒ 15:35着「前天狗」
所要時間約6時間、標高差登り1073m
【2日目】
「前天狗」5:00 ⇒ 6:50「ニペソツ山」7:05 ⇒8:40「前天狗(テント撤収&食事) 」9:25 ⇒10:40「1662mコブ」10:50m ⇒11:07「展望台(通過)」⇒12:45「三条沼」⇒13:53着「登山口」
所要時間約9時間、累積標高登り約680m、下り1700m(※GPS計測)
登山道の様子(21/08/11.12)
良く整備された登山道を歩いていきます。
長らく廃道化していたとは思えないほど、歩きやすい道でした。
序盤の見所、三条沼(さんじょうぬま)は針葉樹に囲まれた雰囲気のある場所でした。
沼に浮いているウキミクリの葉が良い感じです。
廃道化からの再整備で、看板類も要所にしっかりと立っています。
ちょっとややこしいですが、この幌加登山口はゲート前の事なので、実際の車止めは-2㎞で、登山口から三条沼までは3㎞という事になります。
展望台では視界が開け、目指すニペソツ山が見えてきます。
登山口から展望台まで、6㎞ほど歩いてきました。
展望台の日当たりの良い箇所では「ユウバリリンドウ」が見られました。
いくつかのお花畑を越え、前天狗へ向けて登っていきます。
綿毛になったチングルマ群落。
岩場にナキウサギの声が響いています。
声が聞こえたと思ったら、しっかりと姿も見せてくれました。
前の杉沢コースを利用していた時も含め、この山はナキウサギを良く見かけます。
登山者も多くなく、居心地の良い環境なんでしょうか。
辛い登りでしたが、とっても癒されました。
写真を撮れなかったのですが、前天狗の稜線に出る直下がロープ場の急斜面で、少し大変でした。
足元も悪いので、落石などにも気を使うポイントです。
この看板は稜線に出たところに設置されたもので、登山口から7.5㎞地点。
稜線を少し歩いて前天狗のキャンプ指定地に到着です。
明日に登るニペソツ山が正面に聳えています。
前天狗キャンプ指定地は稜線上でテントを張る場所が少なく、風を避けれるポイントが少ないです。
今回は平日だったので良かったですが、天気の良い土日のテント泊は間違いなくテントを張る場所に難儀しそうです。
夕食は糠平湖や西クマネシリ&ピリベツ岳などを眺めながら。
翌朝、5時出発でニペソツ山山頂へアタックします。
実はこの直前までガスで視界ゼロでしたが、出発するタイミングで晴れてくれました。
晴れたり曇ったりで、なかなかすっきりと晴れてくれません。
雲は多めでしたが、なんとか晴れた山頂に立つことが出来ました。
無事に全員でニペソツ山登頂しました。
晴れの天気予報でしたが、結局この日は雲が多めでした。
下山中から雲がモクモク湧いてきて、その後はスッキリと見えませんでした。
テント泊のメリットを生かして、朝のわずかな晴れ間に登れて良かったです。
まとめ
ニペソツ山幌加コースの注意点をまとめてみました。
- ゲートから先、登山口までの林道は荒れ気味なので、運転する際は要注意
- 前天狗のキャンプ指定地はテントを張る場所が少ないので、週末のテント泊は避けたほうが無難。健脚者は日帰りにしましょう。
- 確実に取れる水場は序盤のみ。長いルートなので、持つ水の量は多めに。
- 前天狗の稜線に出る手前のロープ場は急斜面で足元悪い。落石にも要注意。
以前の杉沢コースに比べて、距離が伸びて少し遠い山になってしまいましたが、幌加コースもなかなか楽しめるコースです。
健脚者は日帰り出来る距離なので、ぜひチャレンジしてみて下さい。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
登山・ハイキング倶楽部では、登山ガイド・森林インストラクターの橋本竜平がご案内する、会員制のガイドツアーを実施しております。
顔が見える範囲の少人数制で、自然を楽しみながら歩くことを目的として立ち上げた倶楽部です。
もしよろしければ、一緒に山歩きを楽しんでみませんか?