登山・ハイキング

【愛別岳】日本最北の2,000m峰 ツアーレポ

2020年7月4日(土)~5日(日)で愛別岳へ行ってきた時のツアーレポートです。

愛別岳は団体登山には向かず、会社員時代には設定できないツアーでした。

今回は個人ガイドとして独立して、愛別岳へお客様をご案内するという夢が1つ叶ったツアーとなりました。

愛別岳へのアクセス

愛別岳へアクセスする登山道は、以下の2パターンがあります。

⓵愛山渓温泉から永山岳を経由して向かう方法

愛別岳への最短コースですが、累積標高で1400m、片道約8㎞の健脚向けコースです。

日帰りで愛別岳を目指す場合はこのルートが一般的です。

⓶黒岳石室から北鎮岳経由で向かう方法

初日に石室で泊まり、2日目に北鎮岳経由で愛別岳へ登るコースです。

石室に不要荷物をデポして、軽い装備で愛別岳を往復して戻ってくる行程です。

日帰りで山頂を目指すより、こちらの方がだいぶ楽に登る事が出来ます。

今回のツアーでは、たまたま車の回送をしてもらえる環境だったので、泊り装備を背負って石室から愛別岳を登頂し、愛山渓温泉に降りる行程にしました。

初日は大雪山層雲峡・黒岳ロープウェイを利用して黒岳石室へ。

久しぶりに天気の良い週末だったこともあり、山中もとても賑わっていました。

石室周辺もお花が綺麗な時期になってきました。

早めに石室へ到着出来たので、テントを設営したら周辺のお散歩へ。

キバナシャクナゲがとても綺麗な時期でした。

ヒメクロマメノキ(姫黒豆木)もちょうど花の時期。

秋には甘酸っぱい黒い実がなります。

イワウメも密に咲いていました。

淡いピンクの花弁の個体が良いアクセントですね。

雲ノ平では白花のエゾコザクラを発見!

キバナシャクナゲも色の変化が面白いです。

夕暮れ時、雲ノ平のキバナシャクナゲのお花畑と、北鎮岳にある白鳥の雪渓です。

翌朝は愛別岳へ向けて早朝4時20分に出発!

雲ノ平では、朝日を浴びたキバナシャクナゲのお花畑が満開でした。

この時期の北海道は日が長いので、朝早くから行動できるのが魅力です。

お花畑が綺麗すぎて、なかなか足が進みません。

雲ノ平を通過して、「御鉢平展望台」へ。

ここでのんびり朝ごはんタイム。

御鉢平(おはちだいら)では、運が良ければこの中にいるヒグマを見る事が出来るのですが、今回は残念ながら見られずでした。

北鎮岳(ほくちんだけ)の雪渓も雪が緩んでいたので登りやすかったです。

北鎮岳の山頂(2244m)に到着すると、目的地の愛別岳を見下ろすことが出来ます。

手前から、ギザギザの鋸岳(のこぎりだけ)をトラバースして、台形状の比布岳(2197m)を超えて、その先に愛別岳の分岐があります。

北海道最高峰の旭岳(2291m)も綺麗に見えています。

この時期は、至る所で「キバナシャクナゲ」が咲いています。

比布平付近の「キバナシャクナゲ」のお花畑。

最初に見た雲ノ平のお花畑に比べると、やや花付きが少なかった印象です。

振り返って、ギザギザの鋸岳と北海道2位の高峰「北鎮岳(2244m)」

比布岳を超えると、いよいよ愛別岳への分岐。

最初の降り口が核心部で、ザラザラの急斜面を降りていきます。

あまり写真を撮る余裕がありませんでした。

最低コルまで降りてしまえば、あとは比較的楽な登山道です。

荒れた岩場が似合う「エゾタカネスミレ」が咲いていました。

一見、「キバナノコマノツメ」にも似ていますが好む環境が全く違います。

天高く突き出た山容は、表大雪地域では珍しく、何度見てもかっこいい山です。

愛別岳山頂到着!

凌雲岳の横から顔を出している黒岳も見えていますね。

山頂看板が無いのが残念でした。

愛別岳で撮る高山植物は、切り立った尾根のおかげかとてもかっこよく撮影できます。

黒岳や凌雲岳をバックに「エゾノハクサンイチゲ」。

岩場が滑りやすいので、雨や風が強い日には行かない方が無難です。

今回はお天気を味方につけて、無事に登頂することが出来ました。

安足間岳の山頂により道して、愛山渓温泉側に下ります。

青々とした「沼の平」の池塘群とキバナシャクナゲが綺麗でした。

永山岳の山頂を過ぎて、銀名水付近では「エゾノハクサンイチゲ」のお花畑が見事でした。

まとめ

2日目の行程は以下の通りでした。

黒岳石室 – 御鉢平展望台 – 北鎮岳 – 比布岳 – 愛別岳 – 安足間岳(寄り道)- 永山岳 – 愛山渓温泉

  • 歩行時間:11時間40分(休憩含み)
  • 累積標高登り990m
  • 累積標高下り1874m

今回はお天気と体力のあるお客様たちに助けられました。

また機会があればツアーの設定をしたいと思います。

余談ですが、当サイトのカバー写真と私の名刺には、愛別岳で撮影したチングルマの写真を採用しています。

【whoo】で名刺を作った感想⇒オシャレすぎるこの度、個人事業主になったので名刺を作ることにしたのですが、いろいろ悩んで「whoo」さんのサイトで作成しました。 実際に作ってみ...
富士山と愛別岳の滑落事故から考える、晩秋・初冬登山のリスク令和元年の晩秋・初冬ですが、高山の山の上では雪が積もり始め、滑落の事故がいくつか報道されました。 今回は2件の事故事例の紹介と、こ...
>
登山・ハイキング倶楽部

登山・ハイキング倶楽部では、登山ガイド・森林インストラクターの橋本竜平がご案内する、会員制のガイドツアーを実施しております。

顔が見える範囲の少人数制で、自然を楽しみながら歩くことを目的として立ち上げた倶楽部です。

もしよろしければ、一緒に山歩きを楽しんでみませんか?

ツアースケジュールを確認する 

プライベートガイドを依頼する 

こんな記事もおすすめ
登山・ハイキング

【母衣月山】月越山脈の最高峰へ

2020年2月16日
Sapporo Nature Times ‐ 札幌ネイチャータイムズ
今回は、北海道寿都町にある「母衣月山」をご紹介したいと思います。 実は同じ寿都町内の通称寿都富士を登る予定だったのですが、予定していた弁慶岬の取り付きにまったく雪が無く、急遽 …
登山・ハイキング

【三段山】崖尾根コースのバックカントリー

2020年3月22日
Sapporo Nature Times ‐ 札幌ネイチャータイムズ
三段山基本データ 三段山は標高1748mの山で、十勝連峰の上ホロカメットク山と安政火口を挟んで対峙しています。 名前の由来は斜面が三段になっていることからつけられたそう …
登山・ハイキング

春の『殿様街道(とのさまかいどう)』道南の古道を歩いてきました。

2019年5月4日
Sapporo Nature Times ‐ 札幌ネイチャータイムズ
雪が解けて暖かくなってくるころ、「北海道民はついつい暖かさを求めて道南の方へ旅行したくなる」、と思ってるのは私だけでしょうか? ゴール …