登山ガイド

【岩山】上川町、北大雪のマイナーピーク

岩山 基本データ

岩山(いわやま)は上川町にある1121.3mの山で、夏の登山道はありません。

主に積雪期か、夏に沢登りスタイルで登られています。

北海道には、同じ名前の『岩山』というピークが他に3つあります。

  • 国後島にある、標高758mの岩山
  • 日本最北の岩山。ルルイ岳と一緒にいつか登れる日が来るのだろうか。

  • 忠別湖の南側にある、標高650mの岩山
  • あまり登山対象としては登られていない、地味系な山。       

  • 旭山動物園の東側にある標高432mの岩山
  • 旭川市と当麻町の境界に位置しています。

どれもマイナーピークですが、上川町の岩山はその岩山の中でも最高峰となっております。

他の岩山達と呼び分けるとするなら、北大雪岩山上川町岩山カルシュナイ(※近くにある地名)岩山、といった所でしょうか。

アクセス

国道39号線、武華トンネルの手前に駐車帯があります。

GPSログ

武華トンネル手前の駐車帯から入山します。

林道歩きが多いですが、山頂直下の登りに少し苦労しました。

登り約1時間半、標高差210m、お手軽なコースです。

登山道の様子(2020/12/16)

武華トンネルの手前にある駐車帯に車を停めてスタートします。

駐車場はけっこう広いスペースがあります。

入山してすぐ、狩猟期間につき自粛して下さいとの看板がありました。

注意して進みます。

しばらく歩くと林道の分岐があり、写真の深山橋は渡らず、左手にある「ポンペンケチャロマップ林道」に進みます。

ポンペンケチャロマップ林道。

なぜか看板がビニールで覆われていました。

しばらくは退屈な林道歩きです。

キツネの足跡に導かれるように進みます。

北大雪地域は針葉樹林が多く残り、このあたりは代表的な『亜寒帯性針葉樹林』。

寒さの厳しい北国らしい、黒々とした森が広がっています。

倒木がアーチ状になっていました。

こんな綺麗にしなるんですね。

林道がペンケチャロマップ川と交差する直前で、左手の沢沿いに進みます。

まだまだ雪も少ないので、川に落ちないように気をつけて進みます。

藪の薄いところを見つけ、岩山方向へ登っていきます。

まだまだ雪も少なく、笹が出ています。

これぞ大雪原生林といった、針葉樹の大木が多く残っています。

このエリアは「大雪原生林(だいせつげんせいりん)」も近く、昭和29年(1954年)の洞爺丸台風での風害を免れた天然林になります。

貴重な針葉樹の極層林です。

極層林(きょくそうりん)
森林の樹木がほとんど陰樹(いんじゅ)で構成されるようになり、それ以降は樹種の構成がさほど変化しない状態になった森林の事

別リンク:北海道森林管理局

綺麗に凍裂(とうれつ)したトドマツがありました。

マイナス25℃を下回ると、寒さで幹が割れる自然現象です。

この日は気温マイナス13℃でしたが、充分に寒かったです。

大量の「サルオガセ」が付いたエゾマツも見られました。

「サルオガセ」は地衣類で、樹木に着生していますが、寄生しているわけではなく、ただくっついているだけです。

空気中の水分と光合成だけで生活しており、誰にも迷惑をかけていないエコロジーな過ごし方をしています。

鈴生り(すずなり)についた「ハウチワカエデ」の翼果(よくか)。

落ちるタイミングを逸してしまったんですね。

徐々に標高を上げていきます。

山頂の岩尾根の直下に来ました。

このあたりから急斜面で、雪があまり付いていなく、ブッシュが濃いめです。

尾根に乗るのに一苦労しましたが、尾根からは周囲が綺麗に見渡せます。

白く霞んだ武華岳方面。

もう少し周囲の展望があれば嬉しかったですが、この日は雲も多く、スッキリとしませんでした。

一番高いところを山頂にしました。

狭いので、ゆっくり休憩するには向いていない山頂です。

2020/12/20 撮影

別日のツアー本番、三等三角点(点名:岩山)を発見しました。

ロープを設置する支点作りで雪を掘っていたのですが、自分では気づかず、登って来たお客様が見つけてくれました。

2013/3/17の岩山

以前登った時に山頂から見えた景色をご紹介します。

武利岳武華岳は間近に見ることが出来ます。

屏風岳も近くに見えて、良く目立って見えます。

まとめ

  • お手軽で展望のある山頂が楽しめる
  • 山頂直下の登りだけ要注意。細尾根の急斜面で少し大変。
  • 武華岳、武利岳、屏風岳の展望良好
  • 大雪原生林の雰囲気を味わう事が出来る

最後まで御覧いただきまして、ありがとうございました。

>
登山・ハイキング倶楽部

登山・ハイキング倶楽部では、登山ガイド・森林インストラクターの橋本竜平がご案内する、会員制のガイドツアーを実施しております。

顔が見える範囲の少人数制で、自然を楽しみながら歩くことを目的として立ち上げた倶楽部です。

もしよろしければ、一緒に山歩きを楽しんでみませんか?

ツアースケジュールを確認する 

プライベートガイドを依頼する 

こんな記事もおすすめ
登山ガイド

【乙部岳】晩秋の登山、義経伝説の残る地へ。

2022年11月26日
Sapporo Nature Times ‐ 札幌ネイチャータイムズ
下見とお客様を連れての本番で、2回乙部岳に登ってきました。 今回は下見で登った際の写真を中心に紹介していきたいと思います! なかなか展望の素晴らしい山で良かったです。  …
登山・ハイキング

【ゼロの山】かなやま湖北岸の展望の山

2020年3月12日
Sapporo Nature Times ‐ 札幌ネイチャータイムズ
ゼロの山は南富良野町と富良野市の境界にある山です。 夏の登山道もありますが、今回は冬の登山での紹介をしたいと思います。 標高差も距離も短いので、お手軽にさくっと登れる魅 …
登山ガイド

【祖母山】尾平登山口から周遊登山

2022年11月28日
Sapporo Nature Times ‐ 札幌ネイチャータイムズ
天気の良い日に祖母山へ登ってきました。 過去何度か登った妻の勧めで、今回は尾平登山口から黒金尾根を経て、宮原コースへの周遊登山です。 他のコースはイマイチ面白くないとの …