ザラエノヒトヨタケとは?
名前:ザラエノヒトヨタケ(粗豪柄一夜茸)
学名:Coprinopsis lagopus.
分類:ハラタケ科ヒトヨタケ属
分布は広く、ヨーロッパ、アジア、北アメリカなどと広範囲になっています。
ほとんど食べる部分もなく、食不適。
名前の由来
名前の由来は、「ざらついた柄を持つヒトヨタケ」という本種の特徴がそのまま名前になっています。
このような名づけは覚えやすくて大変助かりますね。
ザラエノヒトヨタケの特徴
まずは出始めのザラエノヒトヨタケを見て行きましょう。
出始めの様子は、ふわふわの毛を纏ったドングリのような見た目をしています。
英名は「Harefoot Mushroom」と言い、ウサギ足のキノコという意味です。
この見た目を、真っ白な毛を纏ったウサギの足に見立ててつけられたそうですが、ウサギの足に見えるかな?
ちなみに、ウサギって「ラビット」じゃないの?と思った方はなかなか鋭いですね。
ラビットはアナウサギ(良くペットショップで見る可愛いやつ)、Hare(ヘア)は野ウサギで、わりと筋肉隆々な感じのウサギです。(本州の方はニホンノウサギ、北海道の方はエゾユキウサギをイメージして下さい。)
カサは2~5㎝ほどで、鐘型から平らに開いて、その後反り返っていきます。
カサのフチの部分が次第に縮れて、周辺部は裂けていきます。
繊維質の綿毛は徐々にまばらになっていきます。
このキノコのカサは光が透けそうなほど薄く、繊細な飴細工のような感じを受けます。
カサの中心部から、明瞭な放射状の線が見えるのも特徴です。
この成熟したキノコは、カサの周縁部から中心部に向かって自己消化により次第に液体化していきます。
最後にはキノコの柄を残して一夜で溶け、胞子を含んだ黒インクのような液になります。
これがヒトヨタケ属の共通の特徴です。
英語ではこのキノコをその様子から、インクキャップ(ink-cap,inky-cap)と呼んでいます。
子実体が地面から発生し、ほぼ24時間で溶けてなくなるといったサイクルを持つ生態が、「ヒトヨタケ」の名前の由来です。
最初に遠くから見た時には、白い一輪の花が咲いているのかと思いました。
ふちが裂けて花弁(はなびら)のようにも見えますね。
わずか1日で崩壊してしまう繊細で、素敵なキノコです。
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