登山ガイド

【武利岳・武華山】オホーツク管内最高峰の登山

武華山の登山口から、武利岳と武華山をセットで登ってきました。

気持ち良い秋晴れの登山で、山頂から見える景色も丁寧に解説しましたのでぜひ最後まで御覧ください。

武利岳(むりいだけ)とは

武利岳(むりいだけ)は、遠軽町と上川町の境界に位置する標高1876.3mの山です。

山頂部は鋭い痩せ尾根で、岩のゴツゴツとした山稜が続いています。

隣の武華山とは距離が近く、武利武華(ムリムカ)とセットで扱われることが多いです。

武利岳は遠軽町の最高峰で、オホーツク管内の最高峰でもあります。

2022年現在、丸瀬布側の登山道へ至る道道は通行止めとなっており、武華山側からのピストンで行くロングコースの山になってしまいました。

武華山(むかやま)とは

武華山(むかやま)とは、上川町と北見市の境界に位置する標高1759mの山で、武華岳とも呼ばれています。

2006年に留辺蘂町が北見市に合併され、武華山は北見市最高峰の山になりました。

石狩と北見を隔てる石北峠から北に伸びる国境稜線上の山で、山頂からの大雪山方面の展望が魅力的です。

2021年に、大雪山で活動しているNPO法人カムイさんが登山道を整備してくれて、登りやすくなっています。

アクセス

国道39号線、石北峠から留辺蘂(るべしべ)町よりに武華岳林道への入り口があります。

旧登山口までは林道が崩壊して行けませんが、途中までは車で入れます。

GPSログ

まず前ムカから最低コルへ下り、武利岳に登頂。

その後、往路を戻って武華山、ライオン岩と経由して登山口まで戻る周遊コースです。

歩行距離約18㎞、歩行時間12時間45分(休憩込、ツアーペース)でした。

登山道の様子(2022/9/13・22)

まずは暗い中、崩壊した林道を40分程あるいて旧登山口へ。

入林ポストはここに設置されています。

味のある看板類も健在です。

まだしばらく平坦な道が続きます。

ライオン岩分岐です。

今回は登りで東尾根コース、下りでライオン岩コースを使います。

徐々に陽が登り、斜面が明るく照らされて来ました。

ライオン岩(左)の特徴的な形が良く目立ちます。

振り返ると、阿寒の山々が雲海に霞んで見えていました。

秋は遠望が効くので、遠くの山々まで見えるのが楽しいです。

ハイマツ帯に入ると、大雪山方面の山々も綺麗に見えてきました。

通過した石北峠が0℃付近まで冷え込んだ朝、稜線上には霜柱が見られました。

稜線上に上がると、東側に知床連山が見えました。

前ムカと呼ばれるピークからは、武利岳側へ続く踏み跡を進んで行きます。

前ムカから少し進むと、正面に武利岳が現れました。

ここから最低コルまで一度下ってから登ると思うと、なかなか遠く感じる距離感です。

最低コルから武利岳の主稜線までの登りで、少し藪漕ぎ区間があります。

正式な登山道では無いのですが、たくさんピンクテープが付いていたので迷わないと思います。

藪漕ぎを終え稜線まで上がると、目的地の武利岳が正面に見えてきました。

アップダウンのある稜線を進んで山頂を目指します。

稜線上から振り返ると、武華山の奥に東大雪エリアの山々が一望出来ました。

稜線上も小さなアップダウンが多く、なかなか歩行スピードが出せません。

お客様が最後尾から撮ってくれた1枚なのですが、尾根歩きの気持ち良さが伝わりますね。

正面奥のピークが武利岳山頂です。

武利岳の山頂は、比較的狭くて高度感があります。

ここまで登山口から8.3㎞程、なかなか疲れる登りでした。

山頂からの展望を見て行きましょう。

武利岳の稜線を奥まで辿ると、ジャンクションピークのニセイチャロマップ岳、その奥にチトカニウシ山が見えています。

右手に見えている支湧別岳(しゆうべつだけ)は登山道のある山ですが、林道の崩壊で遠い山になってしまいました。

北大雪の山々も近くに良く見えています。

ニセイカウシュッペ山と大槍が良く目立ち、有明山から白滝天狗岳まで緩やかな尾根が続いているのがよく分かります。

奥の方には北見山地(写真中では天塩岳~ウェンシリ岳)の山々が見えていました。

日本海とオホーツク海を隔てる分水嶺で、南部の天塩岳が最も標高が高くなっています。

東大雪エリアの山々は武華岳の奥に見えます。

ひと際尖ったニペソツ山が良く目立つので、そこを目印に山座同定がしやすいです。

ニペソツ山の右手奥には、日高山脈のチロロ岳とペンケヌーシ岳が見えていました。

東丸山の奥にも日高の山が見えていましたが、こちらは同定が難しく断念しました。

北大雪の屏風岳の奥に、表大雪の山が大きく見えています。

愛別岳は国内最北の2,000mで、大きな山塊の北の端で良く目立っています。

緑岳から高根ヶ原~忠別岳、トムラウシ山への縦走コースも綺麗に見えています。

名残り惜しいですが、武利岳の山頂を出発して往路を戻ります。

藪漕ぎと前ムカの登り返しがなかなか疲れました。

前ムカまで登り、緩やかな稜線を辿って武華山を目指します。

武華山の山頂です。

山頂からの展望は、武利岳の方に軍配が上がるので、ここでは割愛させていただきます。

ライオン岩コースを経由して登山口を目指します。

こちらのコースも良く整備されていて、歩きやすかったです。

ライオン岩の反対側までやってきました。

角度を変えてもライオンには見えない気がするのですが、良く目立つ大岩です。

沢沿いの分岐まで下り、林道を歩いて登山口まで戻りました。

歩行時間12時間45分、天気に恵まれてたっぷり楽しめました。

まとめ

  • ロングコースなので体調を整えてアタックしよう!
  • 武利岳と武華山のコルに笹と灌木の藪漕ぎあり。
  • 武利岳からの展望は一級品!秋晴れの日がおすすめ。

武利岳は丸瀬布側の林道が2017年頃に崩壊して、遠い山になってしまいましたが、今回は良い条件で登る事が出来て良かったです。

思い出に残る山行になりました。

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