白馬岳の大雪渓上部には、広大なお花畑が広がります。
ここにはマメ科の4種類、タイツリオウギ、リシリオウギ、イワオウギ、シロウマオウギが分布しており、少し見分けが難しいです。
ちょうど花の時期に登ってきましたので、今回は簡単な4種の見分け方をご紹介したいと思います。
イワオウギとは
名称:イワオウギ(岩黄蓍)
学名:Hedysarum vicioides
分類:マメ科 イワオウギ属
高さが20~40cmの多年草で、本州中部以北、北海道の亜高山~高山帯の砂礫地や草地に分布しています。
後述する3種はゲンゲ属なので、同じマメ科ではありますが別属になっています。
タイツリオウギとは
名称:タイツリオウギ(鯛釣黄蓍)
学名:Astragalus mongholicus
分類:マメ科 ゲンゲ属
高さ40~70㎝の多年草で、本州中部以北、北海道(石狩・後志)に分布しています。
リシリオウギとは
名称:リシリオウギ(利尻黄蓍)
学名:Astragalus frigidus
分類:マメ科 ゲンゲ属
高さ15~30㎝の多年草で、利尻山、大雪山、白馬岳、八ヶ岳に分布しています。
シロウマオウギとは
名称:シロウマオウギ(白馬黄蓍)
学名:Astragalus shiroumensis
分類:マメ科 ゲンゲ属
高さ15~40cmの多年草で、北アルプス~南アルプス、八ヶ岳、雨飾山などに分布しています。
見分け方
見分けが簡単な順番に紹介していきます。
果実の時期が一番見分けやすいのですが、今回は花を見て見分ける方法をご紹介していきます。
イワオウギの見分け方
イワオウギ一番の特徴は、花付きが良く(10個~20個)、花が穂状に縦に広がる事です。
花色が似ている「リシリオウギ」や「タイツリオウギ」は花が横に広がるので、ぱっと見で区別可能です。
白馬岳のお花畑ではこのイワオウギが個体数も多く、見る頻度が多い種類になります。
シロウマオウギの見分け方
シロウマオウギは他の3種と比べて、花色が真っ白に近い白になる事が特徴です。
他の3種類とは雰囲気は似ていますが、花色が明確に違うので、あまり見分けに困る事は無いと思います。
またがくに黒い毛が密生する事も、特徴の一つとなっています。
タイツリオウギとリシリオウギの見分け方
まずはタイツリオウギから見て行きましょう。
⓵がく全体に黒い毛が生える
後述するリシリオウギはがくの縁に黒い毛がありますが、全体的につるっとしています。
⓶がく歯が細く突起状になる。
マメ科ではがくにある突起を歯と呼びますが、この歯が鋭く細く尖るのが最大の見分けポイントです。
今度はリシリオウギを見て行きましょう。
⓵がくの縁に黒い毛が生える
タイツリオウギに比べてがくの毛が少な目で、縁に毛が生えています。
⓶がく歯が狭い三角形で先が尖る
がく歯の先は尖りますが、正三角形や二等辺三角形のような綺麗な形のがく歯になります。
まとめ
- 花色が白⇒シロウマオウギ
- 花が縦に穂状になる⇒イワオウギ
- がく歯が細く突起状に尖る⇒タイツリオウギ
- がく歯が狭い三角形で尖る⇒リシリオウギ
このマメ科4種の見分けが出来ると、同行者に自慢出来ると思います!
大雪渓ルートから白馬岳に登る際にはぜひ参考にしてみて下さい。
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