フットパスガイド

【イタンキ浜海蝕洞】年に数回しか行けない室蘭の秘境

今回は、イタンキ浜の海蝕洞に行ってきたので、ご紹介したいと思います。

潮位の関係で気軽に行ける場所ではありませんが、とても楽しい神秘的なスポットでした。

イタンキ浜海蝕洞とは

イタンキ浜海蝕洞(かいしょくどう)は、室蘭市みゆき町にあるイタンキ浜に位置する洞窟です。

徒歩で訪れる事が可能なのは、潮位が一定以下に下がった時だけなので、年に数回しか行くチャンスがありません。

またイタンキ浜は鳴り砂海岸としても知られ、砂地を歩くと「キュッキュッ」と音がする場合があります。

アクセス

グーグルマップには表示されていませんが、上記のピンの場所に駐車場があります。

ここは土の駐車場ですが、少し道路を北側に進むと、離れた箇所にアスファルトの駐車場があります。

GPSログ

片道約2.5㎞、海蝕洞までは約1時間程度かかりました。

歩行ルートは、歩きやすい砂浜と、歩きにくい岩場、滑りやすい昆布地帯があります。

潮位の計算を間違えなければ、特に水に浸る心配は無いので、登山靴がオススメです。

イタンキ浜付近は離岸流(りがんりゅう)が発生しやすいので、海に流されると沖の方まで行ってしまう可能性があります。

潮位は数時間で大きく変動しますので、しっかりと確認してから向かうようにしましょう。

また2017年まではイタンキ浜海水浴場として利用されていましたが、2018年からは離岸流の危険性を考慮して、海水浴場は廃止されました。

ルートの様子(取材日:2022年6月17日)

最初は美しい砂浜歩きからスタートです。

綺麗に整った砂で、歩いても沈まず、アスファルトより歩きやすかったです。

青空に綺麗な砂浜がとても綺麗でした。

元々は前日に歩く予定でしたが、胆振地方を中心に土砂降りで、安全性を考えて1日延期しての実施でした。

イタンキ浜にそって、白い岩の崖地形が続いています。

この白い岩塊は海底火山由来の火山岩で、脆く崩れやすいのが特徴です。

海面がどんどん引いていくのがとても面白かったです。

海だった場所には、昆布や貝類など、様々なものが取り残されています。

立派な昆布たちがいくつも落ちています。

持ち帰って、干して使ったら良い出汁が出そうです。

ウニや貝なども落ちていましたが、密漁になりそうなので止めておきました。

歩きやすい砂浜をしばらく歩くと、今度は岩場地帯がやってきます。

ここは元々歩く道ではないので、安定していない岩も多く、歩きにくかったです。

垂直に伸びる崖ですが、色の違う火山岩が層になっていて、とても迫力があります。

帰路にこの写真の辺りを通過した時に、大きな落石を目撃しました。

前日の大雨が原因と思われますが、そもそも崩れやすい地質の為、崖側には近づかない&休憩場所には気を付けましょう。

岩場地帯を越えると、再度歩きやすい砂浜に戻ります。

人と比べると、この崖の大きさがとても良く分かりますね。

まるで外国に来たかのような景観が広がります。

写真正面にあるおにぎり型の岩の右手奥の方に、目指すイタンキ浜海蝕洞はあります。

途中、ハマエンドウの花も見られました。

砂浜が終わると、今度は恐怖の昆布地帯に突入です。

岩の上にビッシリ絨毯のように昆布が敷き詰められ、とても滑りやすかったです。

昆布地帯が終わると、再度岩場が続きます。

ずっと遠くに見えていたおにぎり型の岩まで到着しました。

岩の上では、カモメやウミウ達の休憩場所となっていました。

数は多くなかったですが、海が引いた箇所ではヒトデも見られました。

打ち上げられた感の強い『イトマキヒトデ』。

正面に、ようやく海蝕洞が見えてきました。

穴が2つ空いているのがわかると思います。

崖の形がとってもアートな感じです。

何故このような凸凹になるのでしょうか。


海蝕洞入口に到着しました。

海蝕洞は波が削って出来た洞窟ですが、想像以上に大きいです。


中を除くと、色々なゴミが溜まっていました。

普段は海水に浸かっている箇所なので、この場所は地形的にゴミが溜まりやすいのでしょう。


洞窟の中も足元は岩なので、やや滑りやすい印象でした。

景色に見とれて、転ばないように注意です。

中から外の崖を見るのも、また良い雰囲気です。

洞窟のシルエットが、景色を切り取ってくれています。

海蝕洞の穴は2か所あいています。

この位置からだとメガネ岩みたいな感じですね。

また長い年月をかけて波の浸食を受けると、いつか中心部が崩れて大きな一つの穴になりそうです。

潮位が上って来る前に帰らなければ脱出不可能になるので、あまりゆっくりは出来ません。

帰路は同じルートを歩いて戻ります。

海蝕洞近辺は崖との距離が近いので、落石などには十分注意しましょう。

無事にイタンキ浜入口まで戻ってきました。

潮位が下がり、朝より砂浜が広くなっている感じがします。

駐車場の近くでは、ハマナスの花が綺麗に咲いている場所がありました。

イタンキ浜の魅力を満喫して帰りました。

まとめ

  • 行けるのは年に数回!潮位をしっかり確認しよう。
  • 足元は登山靴+スパッツがオススメ。ほとんど濡れません。
  • 短時間でお手軽に冒険気分が味わえる。

年に数回しか行けないプレミア感、イタンキ浜の景観の良さも相まって、とてもオススメ出来る場所でした。

潮位の確認と落石だけは要注意です!

最後まで御覧いただき、ありがとうございました。

>
登山・ハイキング倶楽部

登山・ハイキング倶楽部では、登山ガイド・森林インストラクターの橋本竜平がご案内する、会員制のガイドツアーを実施しております。

顔が見える範囲の少人数制で、自然を楽しみながら歩くことを目的として立ち上げた倶楽部です。

もしよろしければ、一緒に山歩きを楽しんでみませんか?

ツアースケジュールを確認する 

プライベートガイドを依頼する 

こんな記事もおすすめ
登山・ハイキング

カタクリの隠れた名所、黒松内町 奥の院へ

2019年4月30日
Sapporo Nature Times ‐ 札幌ネイチャータイムズ
北海道内にたくさんあるカタクリの群生地ですが、観察する人が多くて、なかなかゆっくりと楽しめない場所も多かったりします。 そんな方におすすめしたいのが、黒松内町にある『菩提院  …
登山・ハイキング

カタクリの名所 ニセコ町桜ヶ丘公園

2019年5月1日
Sapporo Nature Times ‐ 札幌ネイチャータイムズ
JRニセコ駅のすぐ近くの好立地に、カタクリの群生地があります。 駅からのアクセスも良く、駐車場もあるので、立ち寄りやすい場所です。 今回は、ニセコ町にある『桜ヶ丘公園』 …
フットパスガイド

【別当賀パス】美しい海岸線が広がるフレシマへ

2023年12月13日
Sapporo Nature Times ‐ 札幌ネイチャータイムズ
今回は根室フットパスの一つ、別当賀パスを歩いてきたのでご紹介したいと思います。 天気の良さもありますが、根室の自然を満喫できる素晴らしいコースでした。 別当賀パスとは  …
フットパスガイド

【丸山遠見の滝】訪れる人の少ない秘境の氷瀑

2021年1月25日
Sapporo Nature Times ‐ 札幌ネイチャータイムズ
丸山遠見の滝とは 丸山遠見(まるやまとおみ)の滝とは、苫小牧市の勇払川(ゆうふつがわ)にある滝です。 近くにある七条大滝(ななじょうおおたき)は知名度もある滝で多く …