企画したツアーで朝里岳から、毒矢峰を繋いで縦走してきましたので、今回ご紹介したいと思います。
札幌国際スキー場から登られる山は、主に朝里岳、白井岳、余市岳がメインですが、今回は毒矢峰を登る(下る?)一風変わった行程を組んでみました。
この日はお天気もまずまずで、絶好の条件で展望も楽しむことが出来ました。
朝里岳とは
朝里岳(あさりだけ)とは、札幌市、小樽市、赤井川村にまたがる標高1280.6mの山です。
朝里岳の北東には札幌国際スキー場、西にはキロロスキー場があり、ゴンドラでアクセスすることが可能で、標高のわりに楽に登れる山です。
山名の由来は、小樽市方向に流れる「朝里川」の源頭にある事から。
毒矢峰とは
毒矢峰(ドクヤミネ)とは、札幌市南区にある標高885.3mの山です。
三等三角点「毒矢峰(ブシヤミネ)」がある山ですが、国土地理院では「ドクヤミネ」の表記になっています。
そのインパクトのある名前の割にはあまり展望も無い地味な印象の山ですが、「札幌50峰」に選ばれており、近年はそこそこ登る人が多い印象です。
今回は札幌50峰リクエストでご依頼があったのですが、ピストンだと面白味が無いので、朝里岳からの縦走でピークを踏むことにしました。
GPSログ
全行程10.9㎞、文字通り北から南へ尾根を繋いで歩く縦走です。
【参考タイム】
「国際スキー場山頂駅」8:50発⇒9:30着「朝里岳山頂」9:35発 ⇒10:35着「1263ピーク」10:40発 ⇒12:00着「奥毒矢峰」12:30発⇒12:51着「毒矢峰」12:58発⇒14:25着「天狗小屋」
※奥毒矢峰は地形図上の標高点909mピークの事です。
歩行時間約5時間35分
歩行距離10.9㎞
累積標高 登り435m 下り1112m(※GPS計測)
札幌国際スキー場について
今回は札幌国際スキー場さんのゴンドラを片道利用させていただきました。
注意点をいくつか下記に記載します。
- 登山で利用の際は1Fインフォメーションで登山届を記入する必要あり。
- 今回のようなスノーシューのみでの利用もOK。滑走具が無くても乗車出来ます。
- ゴンドラ代金+デポジット500円がかかるが、山頂駅でのデポジット返金は不可。
- スキー場へ向かう道道1号線は夜間通行止めで、開通は朝7時から。
国際スキー場さんのチケットはICカードになっており、チケット購入の際にデポジット(+500円)がかかる仕組みになっています。
片道利用の場合でも、手間がかかりますがまた国際スキー場のロッジへ戻らないとデポジットの返金は出来ません。
今回はお客様の中にシーズン券を買って通っている方がいたので、ICカードの返却も後日してもらう形を取りました。
登山道の様子(取材日2021年3月28日)
国際スキー場の山頂駅から、まずは朝里岳を目指します。
最初はちょっとだけ下り、ゆるゆると朝里岳方向へ登っていきます。
朝里岳周辺は平坦な地形が多く、吹雪くと迷いやすいです。
この日は天気が良く、スノーモービルもたくさん走っていました。
序盤は日本海をバックに登りが続きます。
奥にうっすらと増毛山地の白い山々が見えています。
振り返っての一枚。
画像中心のやや左に、国際スキー場の山頂駅が見えます。
徐々に余市岳の頭が見えてきました。
朝里岳の山頂に到着です。
実際の三角点のある場所から、やや南東方向へずれた位置に看板があります。
朝里岳から余市岳の間にかけての平坦地は、通称「飛行場」と呼ばれています。
その名付けも納得するほど、本当にだだっ広い雪原が広がっています。
飛行場から余市岳の右手方向に、ニセコ連山を見ることが出来ました。
ぼんやりとした展望ですが、名前を入れてみました。
ニセコ連山のさらに右手、積丹半島の山々も見えます。
名前を入れた山のうち、赤石山は国土地理院の地形図に名前がありませんが、麓の集落からその名で呼ばれている1000m峰です。
迷いやすい飛行場も、この日は余市岳がスッキリ見えて進行方向の良い目印になりました。
札幌市街方面の展望です。
この角度で見る定山渓天狗岳は新鮮ですね。
Ⅰ峰〜Ⅲ峰が重なっているので、Ⅱ峰がちょうど隠れて見えません。
豊栄山は藤野にあるフッズスキー場のある山です。
もう少し進むと、双耳峰の百松沢山も見えてきました。
天気が悪いと迷いやすい飛行場も、天気が良いと気持ちの良いお散歩道の様です。
空と雪面の境目が分からなくなるような広大な平坦地。
雲の形も相まって、素敵な空間が広がっていました。
参加者の皆さんも写真を撮りながら、思い思いのペースで飛行場を歩いています。
毒矢峰方向へ下り始める標高点1263m付近からの展望です。
迫力のある真っ白な、余市岳の南東斜面。
その奥には羊蹄山も見えていました。
尻別岳もうっすらと見えています。
豊羽鉱山周辺の山々も御覧の通り。
標高の高い無意根山と中岳はやっぱり目立ちますね。
標高点1263mからは毒矢峰へ向けて、一気に標高を下げていきます。
最低コルのある標高点932mまで、331mの下りが続きます。
毒矢峰は尾根上の一角といった感じで、見下ろしても山らしくありません。
尾根伝いにどんどん下ります。
最低コル付近から振り返って、1263m峰(左)と1290m峰(右)。
1290m峰の尾根は、白井岳方向へ続いています。
奥毒矢峰のちょっと手前、樹木の隙間から定山渓天狗岳が見えました。
この位置だと、飛行場からは隠れていたⅡ峰が見えています。
奥毒矢峰の山頂に到着。
地形図上の標高点909mにいつから呼ばれ始めたのか「奥毒矢峰」の看板が付いています。
奥毒矢峰山頂付近から、白井岳(1301m)も綺麗に見えます。
奥毒矢峰からは稜線伝いに20分程歩いて毒矢峰山頂へ到着。
山頂看板の裏に書いてある短歌を写したものが、裏側に取り付けられていました。
補修されたばかりの「毒矢峰」の山頂看板。
鮮やかなスカイブルーが森の中で良く目立ちます。
最後は毒矢峰の急斜面を気を付けて降り、下山口の天狗小屋までは1時間半程の道のりです。
下りメインですが、なかなか歩き応えのあるルートでした。
まとめ
- 下りメインでお手軽な縦走。車の回送さえ出来れば楽しいコース。
- 飛行場は吹雪くと迷いやすいポイント。天候判断は慎重に。
- 人気の山域ですが、朝里~毒矢間は訪れる人が少なくて雰囲気◎
個人的にもなかなか楽しいコースでした。
最後まで御覧いただきありがとうございます。
登山・ハイキング倶楽部では、登山ガイド・森林インストラクターの橋本竜平がご案内する、会員制のガイドツアーを実施しております。
顔が見える範囲の少人数制で、自然を楽しみながら歩くことを目的として立ち上げた倶楽部です。
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