登山ガイド

【信砂岳】増毛山地を間近に望む展望台

とても天候に恵まれた日に、信砂岳(のぶしゃだけ)へ行ってきました。

山頂からは大絶景を楽しむことが出来たので、ご紹介したいと思います。

信砂岳とは

信砂岳(のぶしゃだけ)とは、増毛町(ましけちょう)と北竜町(ほくりゅうちょう)の境界にある標高927.2mの山です。

夏の登山道は無く、主に積雪期に登られています。

信砂岳は暑寒別岳の山頂から東北東へ伸びる尾根と繋がっており、増毛山地の好展望地として知られています。

暑寒別岳に食い込む北竜町

冬山の登山では地形図を見て、市町村の境界を意識する事が多いと思います。

信砂岳の境界となっている北竜町は、そのまま暑寒別岳の山頂まで食い込むように境界が伸びているのが特徴的です。

ここの北竜町は一見飛び地のようにも見えましたが、画像右側の箇所がちゃんと繋がっていました。

雨竜町は雨竜沼湿原があるから、暑寒別岳の山頂はこっちに寄越せ!うちにはひまわりしか無いんだぞ!」みたいなやり取りが町同士であったのかと邪推してしまいました。

このあたりの歴史や経緯に詳しい方がいれば、ぜひご一報ください。

アクセス

道道94号線、共栄橋近くの道路沿いに駐車しました。

駐車スペースが無く、路肩に停める形になるのが悩ましいポイントです。

2022年3月8日に下見で訪れた際は、道路の排雪作業で邪魔になると現地にいた除雪業者さんと話し、駐車を断念しました。

除排雪が少なくなる3月中下旬以降で降雪の無い日を狙っていくのがオススメです。

GPSログ

除排雪の終わった3月9日に、共栄橋近くの路肩に停めてスタートしました。

道路を少し歩き、天竜橋付近から尾根に取り付きます。

排雪後は道路と雪山の段差が大きくなっているので、スコップなどで階段を作ったり、ルート工作が必要になります。

往復で距離約10㎞、歩行時間6時間15分(休憩・ルート工作時間込み)でした。

車道歩きやルート工作の時間を除くと、登り約3時間半、下り約2時間です。

登山道の様子(取材日:2022年3月9日)

ロータリーで雪を飛ばしたおかげで、取り付きが雪の壁になっていました。

スコップで階段を作り、ようやくスタート出来ました。

正面に見える丘から、尾根をたどって山頂を目指します。

3月上旬ですが、この日はスッキリ晴れて春の陽気。

気温が高く、暑い登りでしたが徐々に標高を上げていきます。

標高750mぐらいまで上がると、あとはなだらかな平坦地が続きます。

しばらく平坦な雪原を進んでいきます。

山頂まで増毛山地の展望が見えないのもこの山の特徴です。

山頂が見えてくる頃にエンジン音が聞こえ初め、スノーモービルに先を越されてしまいました。

ラッセルは多少楽になりましたが、嬉しいやら悲しいやら・・・。

まもなく山頂です!

本当に山頂まで増毛山地が見えないという、最後までじらされる山です。

山頂に到着しました。

目の前に、暑寒別岳(しょかんべつだけ)を始めとした増毛山地の大展望が広がっていました。

想像していたより近く、なかなかの迫力です。

山頂から見える展望を順番に見て行きましょう。

暑寒別岳と南暑寒岳(みなみしょかんだけ)、その間に奥徳富岳(おくとっぷだけ)が見えています。

西暑寒岳は国土地理院の地形図には名前の無い山ですが、地元の登山マップなどにはしっかり名前が記載されている山です。

西暑寒岳の東側には、雄冬山(おふゆやま)のとんがりも頭を出していました。

雄冬山の東には天狗岳と、三等三角点「大別苅(おおべつかり)」が見えていました。

南寒別岳の西側には、平坦な山容が特徴的な標高1060.4mの恵岱岳(えたいだけ)があります。

見えてはいませんが、南暑寒岳と恵岱岳の間に雨竜沼湿原があるような位置関係です。

暖かな日差しで、風も穏やかだったので、のんびり山頂で休憩出来ました。

ロングコースですが、この信砂岳から東暑寒岳経由で暑寒別岳まで行くことも出来そうです。

まばらにダケカンバがあるのも雰囲気が良いですね。

青空に映えてとても絵になります。

登って来た方向側には、留萌のポロシリ山や、三頭山をはじめとした天塩山地の山々が見えていました。

読み方の難しい小平蘂山(おびらしべやま)や小平蘂岳(おびらしべだけ)は幌加内町と小平町の境界となっています。

ポロシリ山の西側には、北見山地の函岳(はこだけ)と、天塩山地のピッシリ山が見えました。

函岳は山頂までスーパー林道と呼ばれる37㎞の砂利道があり、山頂まで車でアクセス出来る山です。

山頂からの展望は、いつまででも見ていられる絶景でした。

下山の時間もあるので、名残惜しく下山します。

留萌の海岸線を見ながら下っていきます。

ちょっと分かりにくいですが、天売島(てうりとう)と焼尻島(やぎしりとう)も見えました。

位置的にはこの2島の奥に利尻島も見えそうでしたが、この日は残念ながら見られず。

平坦な雪原を下山していきます。

下りはラッセルが無いので足早に降ります。

所々ある急斜面では滑ったりできて楽しみもありました。

まとめ

  • 展望は一級品!天気の良い日がオススメ。
  • 駐車場がネックなので、くれぐれも迷惑駐車にならないように。降雪時は止めましょう。

次回は駐車スペースのある御領峠からのルートで登りたいと思います。

最後まで御覧いただき、ありがとうございました。

>
登山・ハイキング倶楽部

登山・ハイキング倶楽部では、登山ガイド・森林インストラクターの橋本竜平がご案内する、会員制のガイドツアーを実施しております。

顔が見える範囲の少人数制で、自然を楽しみながら歩くことを目的として立ち上げた倶楽部です。

もしよろしければ、一緒に山歩きを楽しんでみませんか?

ツアースケジュールを確認する 

プライベートガイドを依頼する 

こんな記事もおすすめ
登山ガイド

【武利岳・武華山】オホーツク管内最高峰の登山

2022年9月30日
Sapporo Nature Times ‐ 札幌ネイチャータイムズ
武華山の登山口から、武利岳と武華山をセットで登ってきました。 気持ち良い秋晴れの登山で、山頂から見える景色も丁寧に解説しましたのでぜひ最後まで御覧ください。 武利岳(む …
登山・ハイキング

【ゼロの山】かなやま湖北岸の展望の山

2020年3月12日
Sapporo Nature Times ‐ 札幌ネイチャータイムズ
ゼロの山は南富良野町と富良野市の境界にある山です。 夏の登山道もありますが、今回は冬の登山での紹介をしたいと思います。 標高差も距離も短いので、お手軽にさくっと登れる魅 …