登山・ハイキング

【尻岸馬内山】十勝連峰の展望台

今回は芦別市にある「尻岸馬内山」をご紹介したいと思います。

標高の低い山ですが、魅力たっぷりの楽しいルートです。

尻岸馬内山基本データ

尻岸馬内山(しりきしまないやま)は、芦別市にある標高772mの山です。

夏の登山道は無く、主に積雪期に登られています。

この山の魅力は、なんといっても山頂からの大展望!

十勝連峰の西側に位置しており、山頂付近は樹林も切れて見晴らしがよく、最高の展望台です。

名前の由来

アイヌ語の「モシリ(島)-キシ(尻)-オマ(入っている)-ナイ(川)」が語源との事です。

「モ」の字が消えて、シリキシオマナイの当て字で、「尻岸馬内」になったのでしょう。

芦別市の山だが、富良野の印象が強い

富良野大橋付近から見る「尻岸馬内山」

札幌から十勝連峰方面に行く最短ルートで通る、「富良野大橋」から良く見える山なので、意外とこの山を目にしている人は多いと思います。

その為か、本当は芦別市の山ですが、富良野の山と言った印象があります。

アクセス

国道38号線沿いの、滝里大橋の北側にある駐車場が利用出来ます。

トイレも施設も無いですが、無駄に広い駐車場です。

冬場は除雪車の転回場になっているとネットの情報で見ましたが、取材日(2020年3月15日)に看板類はありませんでした。

GPSログ

今回は駐車場から滝里大橋を渡り、北東尾根を登るルートにしました。

南側の「島の下」側からは急斜面なので、こちらのルートの方が登りやすいと思います。

山頂まで登り3時間20分 片道約4km、標高差602mの行程です。

登山道の様子(取材日:2020/3/15)

滝里大橋の北側にある駐車場に車を停めてスタートです。

駐車スペースはまったく気にしなくていいほどの、広い駐車場です。

まずは滝里大橋を渡っていきます。

目指す「尻岸馬内山」が正面に見えています。

山側に鉄製の柵がありますが、途中で無くなるので、適当な所から尾根に取り付きます。

割と急な斜面もありますが、雪も締まっていて登りやすかったです。

このあたりは標高も低いので、樹林が混んでいます。

地形図に記載されてない林道がありました。

利用できるところは利用して、体力を温存しましょう。

尾根に乗ってしまえば、あとはひたすら尾根伝いに山頂を目指します。

途中、立派な角を生やした雄鹿が見えましたが、こちらの姿が見えたのか、慌てて逃げていきました。

上の写真は、慌てふためいている鹿さんの足跡です。

この北東尾根は、細い箇所がいくつかあり、所々に雪庇が発達しています。

今年は雪不足のせいもあるかもしれませんが、この山はスキーには向きません。

樹林が混んでいて、尾根が細く、急斜面もあります。

登りの途中、樹林の隙間から十勝連峰方面が見えていました。

山頂からの展望に期待しつつ登ります。

山頂付近の稜線は、広場のように開けた地形でした。

大きな雪庇も発達しています。

写真だとイマイチ伝わりませんが、なかなか立派な雪庇です。

富良野盆地と十勝連峰の眺めが素敵でした。

標高の高い山頂付近には雲がかかっていて、スッキリ見えなかったのだけが残念でした。

標高の低い山ですが、「尻岸馬内山」の魅力はなんといってもこの展望でしょう。

十勝連峰の西側で、山頂からこの近さで展望が見える低山はここ以外にないと思います。

ノリウツギのドライフラワーがたくさん残っている株がありました。

毎日この絶景を見ている「ノリウツギ」。良い場所に生まれてきて良かったですね。

この風景に現(うつつ)を抜かして歩いていると、急に落とし穴に落ちました。

雪庇の根元にクラック(ひび)があり、すっぽりと足を踏み抜いてしまいました。

三月中旬、気温も高くて雪が緩み始めています。

この日の山頂一番乗りは、どこかの鹿さんでした。

エゾシカもこの景色を見たくなるのでしょうか。

山頂から登ってきた尾根を振り返ると、雪庇が崩壊している箇所がありました。

この時期は本当に油断禁物ですね。

この山はちゃんと山頂標柱があります。

山頂から十勝連峰方面のアップ写真です。

名前を入れてみました。

富良野岳より北にある標高の高い山は雲の中でしたが、一部の低い山はピークが見えていました。

次回は、雲一つ無い晴天の日を狙って再訪したいと思いました。

【おまけ】
登りでは無かったクマの足跡がありました。

3月中旬にもなると、冬眠明けのヒグマが出始めるので要注意ですね。

まとめ

  • 十勝連峰の最高の展望台
  • スノーシュー向きの山
  • 尾根が細く、樹が混んでいて、山スキーには向かない
  • 春に行く際は、雪庇の崩壊に要注意

最後まで御覧いただきまして、ありがとうございました。

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