今回は支笏湖周辺の漁岳、小漁山、振丁(ふれてい)を周遊して歩いてきたので、ご紹介したいと思います。
令和3年度は3月の気温がとても高く推移しており、私事ですが週末に企画したツアーでオコタンペ湖の横断が出来るか微妙だったので下見を兼ねて歩いてきました。
漁岳とは
漁岳(いざりだけ)とは、札幌市、恵庭市、千歳市の3つの市町村の境界点となっている標高1318mの山です。
山頂には二等三角点「漁岳」が設置されており、主に積雪期に登られています。
小漁山とは
小漁山(こいざりやま)とは、札幌市と千歳市の境界に位置する標高1235mの山です。
漁岳と共に札幌50峰にも制定されている山で、同じく積雪期に登られることが多いです。
札幌市民に馴染みの深い、豊平川の源頭は小漁山の南斜面にあります。
振丁とは
振丁(ふれてい)とは、三等三角点「振丁」が設置されている1015.6mのピークです。
オコタンペ湖の西南西方向に位置し、オコタンペ湖が結氷して湖上を横断出来る時期に良く登られています。
アクセス
漁林道の入口に2台ほど駐車可能です。
人気のエリアなので、わりと埋まっている事が多い印象です。
今回は周遊ルートなので、上記の駐車場でもOKです。
比較的停められる台数が多いので、こちらの方が確実そうです。
GPSログ
漁林道から、漁岳⇒小漁山⇒振丁(ふれてい)⇒オコタンペ湖⇒オコタン分岐⇒漁林道と歩きました。
全行程17.8km、6時間20分です。
荷物を軽量化して1人で歩いたので、ペース早めです。
【↓ヤマレコ↓】
漁岳、小漁岳、振丁
登山道の様子(2021/4/7)
漁林道からスタートです。
序盤は林道歩き。
林道歩きの途中にあった「オリンピック5号線」の看板。
1972年の札幌オリンピックの時に作られた道なんでしょうか。
林道の途中、開けた場所からの写真。
漁岳から空沼岳や様茶平(さまちゃんぺ)方面へ行く際に踏まれる1157ピーク(画面中央右)が良く目立っています。
林道から尾根に取り付き登っていきます。
登りきったら、あとは尾根沿いに進んで行きます。
雪も締まっていて、快適に歩けました。
登っている途中、振り返るといい感じで『恵庭岳』が見えていました。
支笏湖から供給される雲海の上に、ぽっかりと頭を出しています。
もうちょっと上がると、白いオコタンペ湖も一緒に見られました。
笹斜面が割れているのは、漁岳の前衛峰の1175mピーク。
黒い大きな崖が目印の「小漁山」と奥に目立った3つのピーク「徳舜瞥山(右)」、「ホロホロ山(中央)」も見えてきました。
1175mピークを越えると、漁岳の山頂直下の急斜面が目の前に出てきます。
ここから見る漁岳が、一番迫力がある感じがしますね。
急斜面を登ると、漁岳山頂(1318m)に到着。
まさかの山頂部は雪がありませんでした。
登ってきた尾根を振り返ると、オコタンペ湖をさらに俯瞰で見下ろすいい景色が広がっています。
山頂から空沼岳方向。
これが二等三角点「漁岳」です。
漁岳の山頂について初めて、中山峠方面の展望が見えてきます。
この日は羊蹄山もバッチリ姿を見せてくれています。
最近恒例の、山頂からの山座同定コーナー。
羊蹄山の右にはニセコ連山が広がっています。
尻別岳とルスツリゾートの橇負山(そりおいやま)と貫気別山(ぬきべつやま)が見えています。
これから向かう小漁山はハイマツの向こうに。
中山峠方向の無意根山〜喜茂別岳は、綺麗に山が横並びで見られます。
無意根山の右手には、札幌市最高峰の余市岳が目立っています。
雪が解けている時期に来るのが初めてだったので、山頂にあるちっちゃな鳥居(漁岳神社)も初めて見る事が出来ました。
山頂の雪が無い所では、「キバナシャクナゲ」と「イソツツジ」がありました。
昔いた大雪山では、このキバナシャクナゲかショウジョウバカマが1番乗りに咲くお花でした。
ここのキバナシャクナゲなら4月中に咲きそうですね。
景色も堪能して、小漁山方面へ進んで行きます。
雪面も締まっていて、ツボ足で問題無く歩けます。
降りてきたところで振り返っての漁岳。
途中、観光地にあるような「顔はめパネル」のようなダケカンバがありました。
どんどん近づいてくる小漁山山頂。
どんどん遠くなっていく漁岳山頂。
ここまで来ると狭薄山が見えてくるんですね。
小漁山山頂に到着!
山頂看板は「小漁岳」です。
小漁山頂からの展望を見て行きましょう。
胆振の名峰、徳舜瞥山・ホロホロ山方面です。
白老三山は残念ながら雲海の中で見えませんでした。
丹鳴岳(になるだけ)とフレ岳は小漁岳より一段低いので、見下ろす形で見えます。
尻別岳方面は、漁岳と変わりませんね。
羊蹄山、ニセコ連山の見え方も同じような感じ。
無意根山4兄弟も同じ見え方です。
漁岳山頂から見えなかった、「狭薄山」と「定山渓天狗岳」が見えました。
恵庭岳とオコタンペ湖は一直線に並んで見える形になりました。
小漁山から振丁へ向けて下っていきます。
途中で振り返ってみた小漁山。
なかなか迫力があります。
雪でよくわかりませんが、これが小漁沼。
稜線を歩いて「振丁」へ到着。
ここは支笏湖の眺めが良い感じでした。
振丁から北に伸びる尾根を歩いてオコタンペ湖を目指します。
尾根の途中で見上げた小漁山。
どんどんオコタンペ湖が近くなっていきます。
平らな雪原まで降りてきました。
今日はなんだかずっと恵庭岳に見守られているような感じです。
オコタンペ湖の縁に到着。
なんとかギリギリ繋がっている感じでした。
これは数日後は厳しそうな感じです。
湖上へ渡る箇所を探すのに難儀する状況です。
湖の両サイドがこんな状況でした。
ギリギリ繋がっている所を渡って、湖上横断にチャレンジ。
振り返ると漁岳から小漁山の稜線が綺麗に見えていました。
なんだかこの景色、ちょっと上高地に似ているような気がします。
湖上の横断は、踏み抜くまでもいかないけど、たまに沈んで水がしみてくる感じでした。
所々、ぽっかりと穴が開いている箇所もあります。
なんとか無事に湖上横断する事が出来ました。
ちょっとこの状況では、お客様をお連れするのは厳しい感じかな。
最後は道路を歩いて戻ります。
まとめ
- ロングコースですが、展望の良い稜線歩きを楽しめる
- 登りと下りでコースを変えられる魅力あり
- オコタンペ湖の横断は4月に入ると要注意。3月までなら確実そうです
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
登山・ハイキング倶楽部では、登山ガイド・森林インストラクターの橋本竜平がご案内する、会員制のガイドツアーを実施しております。
顔が見える範囲の少人数制で、自然を楽しみながら歩くことを目的として立ち上げた倶楽部です。
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