自然観察・コラム

岩見沢の野生ラン観察「ツアーレポ」

6月某日、お客様のリクエストで岩見沢市内の森を散策しました。

この日は3種のラン科の花を観察できたので、それぞれ解説していきます。

サルメンエビネ

高さ30㎝~50㎝ほどの多年草で、花は茎の上部にまばらにつきます。

サルメンエビネは、赤茶色の唇弁の中央が大きく、細かく波打つ様子がサルの顔に見える事から、「猿面海老根」の和名がつけられました。

正直、何度見ても猿の顔には見えません。

いつ見ても、茶色いスカートを履いた「ゆるキャラ」にいそうな風貌に見えてしまいます。

分布は北海道、本州、九州と広く生育していますが、あまり個体数が多い花ではないので、見られると嬉しい花の一つです。

葉は2~4個、大きめの葉っぱをつけます。

この葉は緑のまま越冬します。

トケンラン

トケンランは、一見コケイランにも似ていますが、暗い緑色の茎と、花弁の斑点が良く目立つランです。

花のアップです。

ずい柱が顔、唇弁が白いスカートを履いたような姿に見える花です。

側花弁の斑点が良く目立っています。

こちらは花を横から見た写真です。

横から見ると、白いスカートを履いて、両手を上げた姿がリングシリーズの貞子に見えてきます。(私だけかな?)

個人的にはなかなか可愛くて好きなランです。

次に紹介するコケイランとちょっと似ています。

コケイラン

高さが30㎝~40㎝になるランで、唇弁に赤っぽい斑点が入るのが特徴です。

ずい柱と新弁が離れているせいか、あまり人っぽい姿に見えませんね。

コケイランの白い唇弁は、横に張り出しているのが、トケンランと違いますね。

よくよく見るとあまり似ていないかもしれません。

会社員時代のお客様にもばったりお会い出来て、嬉しい1日になりました。

ご参加の皆様に、大変感謝です。

>
登山・ハイキング倶楽部

登山・ハイキング倶楽部では、登山ガイド・森林インストラクターの橋本竜平がご案内する、会員制のガイドツアーを実施しております。

顔が見える範囲の少人数制で、自然を楽しみながら歩くことを目的として立ち上げた倶楽部です。

もしよろしければ、一緒に山歩きを楽しんでみませんか?

ツアースケジュールを確認する 

プライベートガイドを依頼する 

こんな記事もおすすめ
自然観察・コラム

ショウジョウバカマの営業戦略

2019年6月30日
Sapporo Nature Times ‐ 札幌ネイチャータイムズ
まだ雪が多く残る時期に、地表近くから早々に花をつけている植物がショウジョウバカマです。 少し地味な花ですが、季節を感じさせてくれる大好きなお花の一つです。 今回はそんな …
自然観察・コラム

団体では行きづらい、『北海道の山』リスト

2019年12月25日
Sapporo Nature Times ‐ 札幌ネイチャータイムズ
今回は元旅行会社の私が、会社員自体に企画したかったけど出来なかった『北海道の山』をご紹介したいと思います。 旅行会社の団体ツアーは、バスの運行時間の縛り、大人数の登山で一般登 …
自然観察・コラム

雪まくりとは?冬に見られる面白い自然現象

2019年12月6日
Sapporo Nature Times ‐ 札幌ネイチャータイムズ
皆さんは雪まくりという自然現象をご存知でしょうか? 初めて見る方はちょっとビックリするかもしれない、面白い自然現象です。 雪まくりとは? 雪まくりは、冬にまれ …
自然観察・コラム

『チングルマ』花も紅葉も美しい天空のお花畑

2019年6月23日
Sapporo Nature Times ‐ 札幌ネイチャータイムズ
チングルマは亜高山~高山の湿地やれき地に生える草状の落葉低木で、北海道の山では良く見られる代表的な高山植物です。 特に群落状になることも多く、大変見ごたえのある高山植物の代表 …
自然観察・コラム

スプリングエフェメラルとは?北海道で見られる種類、場所について

2019年4月7日
Sapporo Nature Times ‐ 札幌ネイチャータイムズ
北海道では長い冬が終わると、雪解けを待ちわびたように、色とりどりの山野草が咲き始めます。 その中でも、『スプリング・エフェメラル(春植 …