JR札幌駅から徒歩10分程、北海道大学植物園は13.3ヘクタールの広さを持ち、都会の中心にありながらも貴重な自然が楽しめる場所となってます。
園内を1周すると約1時間45分程の広さがあり、植物観察や芝生の上でのんびり読書したりなど、時間のある時にのんびり楽しみたいスポットです。
アクセス
JR札幌駅の南口から徒歩10分程です。
入口は園内の東側1か所のみなので、反対側から来られる際はぐるっと迂回する必要があります。
見頃の時期
北大植物園公式サイトによると、高山植物の咲く5月中旬から下旬頃がおすすめの時期との事です。
この時期以外にも、季節ごとに様々な花や紅葉を楽しむことが出来ます。
園内MAP
広い園内はいくつかのゾーンに分けられています。
園内の外周をゆっくり見て回ると、1時間30分から2時間はかかるコースです。
植物が好きな方なら、半日ぐらいのんびりと滞在したい場所ですね。
園内の様子(2019年5月25日)
ハルニレの大木
入口のそばにハルニレの大木がありました。
分布は北海道から九州までで、特に北国に多く、北海道ではポピュラーな樹木です。
北海道では英名のエルム(elm,ニレ属の総称)の名前で親しまれています。
新緑の葉が綺麗でした。
葉の長さは4~15㎝、幅3~8㎝。葉の基部は左右に歪んだ形で、葉の先は急に尖るのが特徴です。
また写真では分かりづらいですが、葉の縁は重鋸歯(じゅうきょし)となっていて、粗い鋸歯(きょし)の中に細かな鋸歯があります。
足元にはハルニレの種が山のようになっていました。
倒卵型の翼果で、風で運ばれやすいようになっています。
フジ
フジの花が見ごろを迎えていました。
足元の赤いヤマツツジも鮮やかですね。
フジは落葉つる性木本で、他の木に巻き付いて高く登っていきます。
葉は羽状複葉で、鋸歯(葉のギザギザ)が無いのが特徴です。
花は総状花序が垂れ下がり、長さは20~30㎝ほど。
一つ一つの花は蝶の形をしています。
チョウジソウ
北海道から宮崎県にかけて分布し、やや湿った草地に自生します。
開発や護岸工事工事などで、生息地が減少しており、北海道レッドリストに登録されています。
キョウチクトウ科で、全草にアルカロイドを含む毒草です。
花色は淡い青で、なんとも品のある姿でした。
ラクウショウ
ラクウショウ(落羽松)は別名ヌマスギ(沼杉)とも呼ばれ、湿潤地に適した種類です。
北アメリカ原産で、日本では主に公園などの植栽で見られます。
札幌ではこの北海道植物園でしか見たことが無く、他に見られる場所があったら教えて欲しいです。
この木の特徴はなんといっても、呼吸根(こきゅうこん)が見られることです。
水生植物に見られるもので、幹の周囲(少し離れたところにも)の地面や水上から根を出し、酸素を根に送る役割をもっています。
場合によっては十数mほど離れたところから呼吸根が出ている事もあります。
ラクウショウの呼吸根は、膝を立てたところに似ていることから、膝根(しっこん)と呼ばれています。
葉は針葉で秋には落葉します。
大木のわりには葉は小さめで、なんともアンバランスな印象です。
葉のアップです。
秋に落葉した姿が鳥の羽に似ている事から、落羽松(ラクウショウ)の和名がついています。
ハンカチノキ
ハンカチノキは中国の四川省・雲南省原産の落葉高木です。
この木の魅力は名前の通り、ハンカチのような白い2枚の苞葉(ほうよう)が垂れ下がる事です。
札幌市内では、ここ北大植物園の他、百合が原公園や豊平公園でも植栽されているようです。
花のアップです。
なんともインスタ映えしそうな見た目です。
中国の中部から南西部に自生し、1科1属1種、高さ20m位になる落葉高木。花は球形の頭状花序に付き、1個の両性花または雌花と多数の雄花群からなり、基部に大小2片の白色苞が垂れ下がる。名前はこの苞をハンカチに見立ててつけられた。本種はフランス人でカトリック聖ラザル会のダヴィット(Pere Armand David)神父によって1869年7月中国四川省宝興で発見されたものである。(ジャイアントパンダも同神父によって同年同所で発見されている。この株は佐藤英行氏により寄贈された。(ハンカチノキ科)
“現地の看板より引用”
ムラサキセイヨウブナ
秋でもないのに、葉が色付いている大木がひと際目立っていました。
ブナ同様に白っぽい幹に、紫がかった葉、樹形も美しく、とても存在感のある樹でした。
葉のアップです。
全体的に紫がかった色味で、光沢があります。
北ヨーロッパに分布するヨーロッパブナの変種のひとつで、その名のように葉が濃い紫色をしている。太陽に透かして見ると、葉脈の間に紫色の色素が多く集まっているのがわかる。春に特に色が濃く、秋にはやや薄い色になる。ドイツを中心として、北ヨーロッパでは普通に見られ、公園などにも植えられるほか生け垣にもする。日本での繁殖はもっぱらブナへの接ぎ木による。
(ブナ科)
“現地の看板より引用”
カマツカ
植物園内の森の中、カマツカが白い花を咲かせていました。
高さ3~5m程の灌木で、名前の由来は固く折れにくいので、鎌の柄に利用されていた事から。
この木はウシコロシの別名もあります。
牛の鼻に輪を通すときに、この木を使って鼻の中に輪を通す穴を開けた事から、「牛殺し」の名がつきました。
まとめ
・たくさんの種類の樹木、花、高山植物が見られる
・JR札幌駅から徒歩圏内
・広い芝生があるので、のんびり過ごすのもオススメ
たくさんの種類の花や木があり、今回は一部しか紹介できませんでした。
季節を変えてまた訪れたいと思える素敵な場所です。
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