自然観察・コラム

春の山菜展2019で山菜の勉強をしてきました

春の山菜シーズン、北海道の山ではたくさんの山菜が採れ、とても楽しいシーズンとなります。

先日、地下鉄の構内で『春の山菜展2019』のポスターを見かけました。

私は山菜と有毒植物を誤食した事はありませんが、改めて勉強もかねて行ってみる事にしました。

イベント概要

『春の山菜展2019』

場所:北海道立衛生研究所薬用植物園

日時:2019年5月10日(金)・11日(土)10:00~16:00

北海道と札幌市が主催のイベントで、毒草ハンドブックや山菜取り時の遭難防止用にホイッスルなども配られていました。

会場には後志振興局の方も来ており、ニセコ山系でタケノコ取りの遭難事故が毎年のようにありますが、遭難者の多くは札幌から来た方とのお話もしていました。

アクセス

地下鉄南北線北18条駅から徒歩で15分程、エルムトンネルの脇を抜けて、カツラやポプラの並木と牛や馬を見ながら歩きます。

見られた植物


会場内は広くなく、10分~15分程で見て回れる程度です。

見られた植物を、一部ご紹介いたします。

日本三大有毒植物

敷地内の正面に、『日本三大有毒植物』の展示がありました。

山菜採りをする方なら、食べられる植物、有毒植物の正しい知識を身に付けましょう。

ドクウツギ(毒草)

ドクウツギ(Coriaria japonica ドクウツギ科)

北海道では日本海側に分布し、河岸や山の斜面などの日当たりの良い場所を好みます。

似ている山菜があるわけではないので、誤食の心配は無いですが、知識として知っておいた方が良いと思います。

そこまで観察機会の多い植物ではない印象です。

トリカブト(毒草)

オクトリカブト(Aconitum japoium ssp.subcuneatum キンポウゲ科)

おそらく名前を聞けば誰もが毒を連想する、一番有名な毒草なのではないでしょうか。

誤食する可能性があるのが、『ニリンソウ』『ヨモギ』『ゲンノショウコ』『セリ』などです。

若葉がニリンソウと似ていて、また同じような所に生えているので、ニリンソウを採る際は要注意です。

確実なの方法は、白い花芽がついたものだけを採るようにすると間違いが無いです。

ドクゼリ(毒草)

ドクセリ(Cicuta virosa セリ科)

セリとよく似ていて、またどちらも水辺に生えるので誤食に注意が必要な種類です。

若葉をセリと間違えたり、根をワサビと間違えて中毒になった例があります。

このように混植されて展示してあるのも、面白かったです。

このように、比べて展示されているとわかりやすいですね。

ドクゼリの根は肥大して節があり、タケノコ状になります。

イヌサフラン(毒草)


北海道では2015年~2018年の4年間、誤食による死亡事故が続いており、ニュース等でご存知の方も多い植物ではないでしょうか。

葉はギョウジャニンニクと、りん茎はジャガイモやタマネギと誤食される事があります。

イヌサフランは園芸種なので、山で間違うことはありません。

見分ける自信のある方でも、自宅での混植はやめておいた方が無難だと思います。

ヨブスマソウ(山菜)


独特の風味と苦みがあり、ちょっとクセのある味が大好きな山菜です。

登山道の脇などにも良く見られる植物です。

クサノオウ(毒草)

葉っぱをちぎると、黄色い汁が出てくる植物です。

この黄色い汁はアルカロイドを含み、弱い方は触れると炎症など起こす場合があります。

園内の様子

食べられる植物はナイフ&フォーク、有毒植物はドクロマークと、名前と毒の有無が一目でわかるように展示されていました。

フクジュソウをちぎって、実際に臭いを嗅ぐことの出来る展示がありました。

おまけですが、園内の隅っこに、大きく傾いている『エゾバッコヤナギ』がありました。

樹木は自分で支えられる長さで成長を抑えようとしますが、写真のように支柱で支えると、どんどん伸びていきます。

利用できるものは利用するといったスタンスなんですね。

まとめ

・見るだけでなく、触ったり、ちぎったり、比べたり体感できる展示がたくさん

・山菜展というより、毒草展だった

・駅からの会場までの距離がちょっと遠い

・実際に山菜の試食コーナーが欲しかった(個人的願望)

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