今回は大雪湖の北に位置する「樹海峰」をご紹介いたします。
あまり知名度の無い山ですが、山名の響きが綺麗で、展望も楽しめます。
樹海峰とは
樹海峰(じゅかいほう)とは、上川町にある標高1231.8mの山です。
大雪湖のすぐ北に位置し、南には石狩連峰、西には表大雪など、標高の高い山々に囲まれたような位置関係です。
アクセス
国道39号線と273号線が分岐する二股の箇所に、除雪されている地点があったのでそちらを利用しました。
工事関係車両などが停まっている事もあるので、その際は大雪ダムの駐車場を利用する方が無難です。
GPSログ
樹海峰から西に伸びる尾根を使って最短ルートで登りました。
グラニュー糖のようなさらさらと崩れる雪質に苦戦し、登りで3時間ほどかかりました。
片道約2㎞、標高差登り430mです。
登山道の様子(取材日21/02/23)
大雪トンネル近くの駐車スペースからスタートです。
最初がちょっと急な斜面ですが、右から回り込むようにして尾根を上がっていきます。
登り始めからすでに表大雪方面の展望が良い感じです。
ロープウェイのある黒岳はとても特徴的な山容なので、山座同定の良い目印になります。
針葉樹に覆われた急斜面を登っていきます。
雪質はさらさらと崩れるグラニュー糖のような雪質で、かなり登りにくくなっていました。
綺麗に割れたトドマツの凍裂(とうれつ)が見られ、割れ目からは樹液が流れて凍った痕も見られました。
マイナス25度前後で発生する現象です。
この尾根では、シカの足跡や痕跡が多数見られました。
あまり雪が積もっていない感じだったので、エゾシカにとって居心地のいい場所だったのでしょうか。
樹木が密生して生えているのと、そこそこの急斜面で、あまり登りやすい尾根ではありませんでした。
シカのトレースを辿って進むと、急に開けた場所が出てきました。
シカも良い景色を見たくなる時があるのでしょうか?
足元にはシカの毛が落ちていました。
景色を見に来たのかなと思っていたのですが、樹皮が食べられた痕がありました。
樹木が密生して展望がほとんどない登りで、この箇所だけ南側が開け、大雪湖の向こうに石狩連峰を望む事が出来ました。
この景色だけでも登って来る価値があります。
とても絵になる場所でした。
シカさんのトレースに感謝です。
途中で見かけたシカの寝床。
割と見通しの良い、針葉樹林の中を好みます。
標高1100m付近ではまさかの人工物が出てきました。
鉄塔自体は古そうですが、アンテナらしきものは新しそうです。
尾根を登った先にある1203mピークはトラバースしようと思っていたのですが、やや急斜面だったので登り切りました。
1203mピークから下った鞍部(コル)。
ここは屏風岳方面の展望が少しありました。
屏風岳をアップで。
今まであまり滑る斜面としては注目していなかったのですが、なんだか雰囲気良さそうです。
引きでみるとこんな感じで、樹林の間から見えます。
平山方向も見えているのですが、木に覆われてスッキリしません。
まもなく樹海峰の山頂に到着です。
次第に雲が湧いてきて、山頂に付く頃には石狩連峰は隠れてしまいました。
山頂は南側と北東の武華岳側は展望があります。
武華岳はスッキリと見えました。
2021/3/13の山頂から見た風景
この日はとても良い天気で、絶好のコンディションで山頂に立つことが出来ました。
まず山頂に立つと、正面に石狩連峰がそびえています。
石狩岳と音更山をアップで。
とても迫力のある山容です。
遠くに、雌阿寒岳と阿寒富士、フップシ岳が見えました。
条件が良ければ、大雪山の稜線上からも見る事が出来ます。
前回訪れた際には見られなかったトムラウシ山方面の展望も素晴らしかったです。
武華岳方面には、山頂部が岩山で構成されている、その名も「岩山」が見えています。
木々で展望の見えない方向もありますが、山頂からこれだけ見られれば十分なのではないでしょうか。
まとめ
- 密生する樹林と急斜面がやや登りにくい
- 石狩連峰、武華岳、屏風岳、トムラウシ山の展望良好
- シカの痕跡がたくさん見られた
最後まで御覧いただきまして、ありがとうございました。
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