今回は根室フットパスの一つ、別当賀パスを歩いてきたのでご紹介したいと思います。
天気の良さもありますが、根室の自然を満喫できる素晴らしいコースでした。
別当賀パスとは
別当賀(べっとうが)パスは、根室フットパスの一つで、別当賀駅からフレシマ地区へ向かう片道約5㎞のコースです。
フレシマ地区は野鳥の保護区にもなっており、遮るものが無く日本とは思えない美しい海岸沿いの景色が広がる場所でした。
別リンク:根室フットパス
アクセス
別当賀パスを歩くためには、まず根室市明郷(あけさと)にある伊藤牧場さんでMAPの購入と、ゲートの鍵を借りる必要があります。
別リンク:明郷伊藤☆牧場
牧場内にある雑貨屋で購入できます。
フットパスマップの購入が通行許可証(税込み300円)になっていて、一人1冊必要です。
また鍵の返却は日を跨いでもOKなので、今回は二日後に返却させていただきました。
【別当賀パス入口】
別当賀パスの起点は別当賀駅で駐車場もあるのですが、しばらく砂利道の農道で単調な道が続きます。
その為、今回は別当賀駅の南にある別当賀墓地を越えてさらに南下した砂利道の駐車帯(数台可)を利用しました。
片道30分、往復で1時間ほど時間の節約にもなります。
※正規の駐車場所では無い為、ご注意下さい。
GPSログ
海岸周辺はぐるっと一周するように歩くことが出来ます。
また道が明瞭なのは序盤のみで、湿原周辺や海岸周辺は道が判りにくい場所が多かったです。
湿原や川の近くを歩くので、ぬかるみ対策で今回は登山靴で歩きました。
往復6.5㎞、所要時間2時間15分でした。
フットパスの様子(23/11/19)
別当賀パスの起点は別当賀駅。
なかなか乗る機会が無いので、根室駅から花咲線に乗って別当賀駅まで移動しました。
ちなみに、JRの駅は別当賀駅(べっとがえき)で、フットパスは別当賀パス(べっとうがぱす)。
少し調べると、旧国鉄の呼び名と市町村に登録されている読み方が違うケースがいくつかあるようです。
花咲線は1両編成のローカル鉄道ですが、景色の良さからファンも多いと聞きます。
ここからフレシマ地区の入口まではショートカットして車で移動します。
序盤は砂利道の車道歩き。
奥に牧草地とゲートが見えてきました。
フレシマ地区の入口です。
ここで伊藤牧場さんから借りた鍵で、ゲートを開けて保護区内に入ります。
あまり訪れる人は多くなさそうですが、看板類もしっかり整備されています。
序盤は牧草地を歩いていきます。
ここではクマザサ繁茂の抑制の為、馬を放牧して植生管理をしているそうで、時々大きめの馬糞が落ちていました。
ぬかるみにヒグマの足跡がありました。
今年は個人的にヒグマとの遭遇率がとても高い年だったので、少し警戒しながら進みます。
ちなみに、伊藤牧場さんでカギを借りる際に熊スプレーもレンタルする事が出来ます。
少し歩くと、エゾシカの群れが尾根上を駆け上がって行きました。
保護区内にいるためか、警戒心が強くてすぐ森の中へ逃げていきました。
牧草地の奥に目的地の海岸線が見えてきました。
途中でとても広々とした牧草地に付きました。
広大な北海道らしいコースです。
11月ですが、天気の良さもあって気持ちの良いハイキング日和です。
どこに進んだらいいか分かりにくい程に広い牧草地でした。
フットパスのコースを示す看板が、たまに出てきます。
ようやく海岸線が近くなってきました。
旧馬場牧場のサイロが見えてきたので、向かっていきます。
この辺りは道が不明瞭というか、ほとんど無いような感じだったので適当に歩いています。
足元はぬかるみ多めの湿原地帯です。
こちらはサイロの横にあった別当賀ハイド。
野鳥好きでない限りあまり馴染みが無いと思いますが、このハイドとは野鳥観察小屋の事で、野鳥を驚かせずゆっくりと観察することが出来ます。
根室市では特に野鳥目当ての方も多い事から、いくつかのハイドが市内に設置されています。
こちらが旧馬場牧場のサイロです。
昭和初期から、馬場三代が半農半漁を生業にこの地で暮らしていたそうです。
前にイトムカ鉱山の跡地にヒグマの冬眠穴を見つけた事があるので、廃墟の人工物の中は注意する事にしています。
サイロの中をのぞき込むと、雨水がたっぷり溜まっていて、熊が冬眠するような環境ではありませんでした。
海までたどり着いたので、しばらく海岸線歩きです。
波はありますが、風も無くて穏やかな海の景色を楽しめました。
この周辺でオオワシやオジロワシも飛んでいたのですが、警戒心が強くすぐに逃げてしまいました。
海岸線から再び丘の上に戻ると、奥の湿原にタンチョウがいました。
望遠レンズで見てこれぐらいの距離感です。
奥にあるポツンと一軒家の方は毎日タンチョウ見放題ですね。
お台馬場という、丘の上の展望地までやってきました。
海岸線の眺めがとても美しいです。
海と草原がどこまでも続く、日本離れした景色が広がります。
帰路はまた牧草地を歩いて駐車場所まで戻ります。
道東の原風景を楽しめる良いフットパスコースでした。
まとめ
- 景色の良さは一級品!道東らしい景色が楽しめるオススメのコース
- 様々な野鳥が見られるので、双眼鏡があるとより楽しめる
- 野鳥保護区内なので、自然動物への配慮が必要
【おまけ】
以前に訪れた8月は草丈が高く、アブも多くまとわりつき、ゆっくり休憩出来ませんでした。
今回の11月は虫もいなく、下草も濃くない、天気も良し、と完璧な条件でした。
北海道の太平洋側では夏(6~8月)の霧日数がとても多いので、遠くから来る方は春か秋頃が良さそうです。
また海岸付近の湿原を元気に走り回る2頭のヒグマが居て、この時は海岸まで到達できませんでした。
熊スプレーをお持ちでない方は伊藤牧場さんでレンタルするのをオススメします。
登山・ハイキング倶楽部では、登山ガイド・森林インストラクターの橋本竜平がご案内する、会員制のガイドツアーを実施しております。
顔が見える範囲の少人数制で、自然を楽しみながら歩くことを目的として立ち上げた倶楽部です。
もしよろしければ、一緒に山歩きを楽しんでみませんか?