アオチドリとは
名称:アオチドリ(青千鳥)
学名:Dactylorhiza viridis
分類:ラン科 ハクサンチドリ属
北海道~本州中部以北、四国に分布し、高さが20㎝~50cmになる多年草です。
ラン科の中では比較的早い時期から見られ、花期は5月~7月。
名前の由来
和名は、花色が緑色の事から、「青千鳥」と名付けられました。
ですが、実際の花色は変異があります。
また別名を「ネムロチドリ(根室千鳥)」と言い、こちらは道東の根室に産することから。
学名の種小名にある「viridis」 は、ラテン語で緑色を表しています。
アオチドリの特徴
花が緑色なので、周囲の景色と同化して見つけづらい印象の花です。
花は総状(茎を中心にして花柄のある花が放射状)に多数の花を付け、花より長く、細長い苞葉(ほうよう)がとても目立ちます。
ラン科植物の花は、3枚のがく片(外花被片)と、3枚の花弁(側花弁2つと唇弁1つ)で構成されています。
アオチドリは、とても特徴のある唇弁(しんべん)が3つに裂け、真ん中の中裂片が短いのが特徴です。
また3個あるがく片は兜のような形状になり、側花弁(そくかべん)を隠している事が多いです。
先ほどとは別の個体のアップです。
細長い側花弁2個が先ほどの写真よりはっきり分かりやすいと思います。
また花柄子房は180度ねじれて唇弁は下向きに付いています。
唇弁の後ろに隠れている距(きょ)は、長さ3mmほどで、太く短い球形をしています。
葉は2~3個が互生して、やや肉質感のある葉です。
長さは4~10cmの長楕円形or広披針形です。
葉柄は無く、基部は鞘状になるのもポイントです。
アオチドリの花色はバリエーションがあり、緑色~紫褐色になります。
こちらは可愛らしい水玉模様のリップ(唇弁)を持つアオチドリ。
こちらはリップ(唇弁)が茶褐色で縁どられたアオチドリ。
同じアオチドリでも、花色で印象が変わってきますね。
唇弁に色がついている方が見つけやすくてありがたいです。
逆に新弁が緑色のタイプは茎や葉と同化して見えるので、見つけづらいです。
見分けのポイント
こちらは上から見下ろした見た写真。
他のラン科植物との見分けですが、この花より長く大きい苞葉(ほうよう)がとても特徴的なので、良い見分けのポイントになると思います。
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