猿留山道とは
猿留山道(さるるさんどう)は、寛政11年(西暦1799年)に江戸幕府によって開削された山道です。
官製道路の最初の一つとして、様似山道(さまにさんどう)と共に開削されました。
作られた当時は7里半(約30㎞)の道でしたが、2003年に「猿留山道復元ボランティア事業」によってそのうちの7㎞が復元されて歩けるようになりました。
アクセス
猿留山道の入口は、⓵東入口、⓶豊似湖、⓷西入口の3か所があります。
今回は、豊似湖から東入口へ降りるルートをご紹介いたします。
東入口(ワラビタイ沢)
豊似湖駐車場
GPSログ
今回は豊似湖駐車場から豊似湖の外周を回り、猿留山道から沼見峠まで行って往復し、東入口側へ降りました。
東入口からは林道を徒歩で登り、豊似湖駐車場へ戻りました。
コースタイムはのんびり写真を撮りながら歩いて以下の通りでした。
- 豊似湖駐車場(8:57)
- 尾根取り付き(9:26)
- 猿留山道分岐(9:58)
- 沼見峠(10:22~35)
- ワラビタイ川渡渉(12:15)
- 東入口(12:25~42)
- 豊似湖駐車場(13:32)
豊似湖から東入口まで(取材日:10月20日)
豊似湖の駐車場には立派なトイレがあるので、ここを起点にして歩くのが一番オススメです。
駐車スペースもけっこう広いですが、この日は平日だったにもかかわらず、既に5台以上の車がありました。
ナキウサギ撮影目的のカメラマンが多かったです。
入口には可愛い感じの手作りの看板がありました。
今回は豊似湖から尾根を上がって沼見峠まで行き、帰路は東入口側へ降りる行程です。
駐車場から湖畔までは200mほど。
数分歩くと、すぐに豊似湖に到着します。
猿留山道へのルートはどちら周りでも良さそうですが、看板にならって左回りで行くことにしました。
豊似湖周辺には岩が積み重なったような場所も多く、ナキウサギの生息地になっています。
この日もナキウサギ目当てのカメラマンが多くいました。
紅葉と湖の取り合わせがとても綺麗ですね。
湖岸につけられた道を進んで行きます。
湖のほぼ反対側にきました。
ハート型の湖の割れ目の部分から尾根に上がっていきます。
やや分かりにくいですが、所々に看板が取り付けられています。
若干ミヤコザサが濃くなっている場所もありました。
同行した妻が悲鳴を上げていたので、どうしたのかと思ったら大量のダニがついていました。
この辺りから、少し歩けば花粉が付いたかのようなダニの塊が付着し、かなり不快でした。
ダニが多いとは聞いていましたが、この時期でここまでとは・・・。
徐々に高度を上げていきます。
豊似湖が樹林の隙間から見えています。
笹の斜面を上がり切ると、猿留山道との合流地点です。
分岐にはしっかり標識もあって分かりやすいですね。
木々の向こうに太平洋も見えてきました。
ここからは沼見峠(ぬまみとうげ)を目指します。
尾根上の道で比較的歩きやすい道のりです。
所々に注意喚起の看板がありました。
木々の隙間から豊似湖。
なかなかすっきりと見えるポイントはありません。
正面に開けた場所が見えてきたら、まもなく沼見峠です。
沼見峠からは海側の展望が素晴らしかったです。
沼見峠はこんな感じで開けているので、休憩場所にもピッタリです。
写真が粗くて見にくいですが、左の祠(ほこら)は安政6年(1861年)に建立した「妙見菩薩石仏」。
右は「馬頭観世音菩薩」の石碑で、文久元年(1863年)のもの。
共に旅人の安全を祈願することを目的として、幌泉場所請負人の福島屋嘉七によって建てられたそうです。
今回の行程では唯一、江戸時代のものが残っている箇所でした。
この2つの石碑の奥に続く稜線を詰めると、観音岳(かんのんだけ)に行くことが出来ます。
登山道はありませんせんが、この地域はミヤコザサなので薄い藪漕ぎで登頂できそうです。
肝心の沼見峠からの豊似湖は御覧の通りスッキリと見えません。
以前は見えた時代もあったのでしょうが、現在は何本か木を切りたいところですね。
沼見峠から楽古岳方面の展望
次は東入口側へ降りるので、往路を戻ります。
途中、エゾシマリスが写真を取らせてくれました。
あまり変わり映えの無い道を進んで行きます。
所々で、猿留山道の復元の時に使った測量のマーキングが見られます。
豊似湖の東の尾根の上から。
やはり樹木が多くてすっきり見えません。
途中、木々の隙間から見えた観音岳。
葉っぱに黒い斑点がついていたのは「アオハダ」の木。
忘れたころにたまに標識が出てくるので、少し安心感があります。
梯子の階段を降りたら林道へ。
この辺りから少し道がわかりづらくなります。
少しややこしいポイントでは、手書きの可愛い標識があります。
こちらも手書きの標識。
またまたはしご。
ワラビタイ沢の渡渉ポイントに来ました。
水量はそこまで多くなかったので、問題無く渡れました。
標識とシカの頭蓋骨。
最後に林道をちょっと歩いて東入口へ。
まもなく東入口到着です。
東入口には入林ポストが設置されていました。
あとはここから車道を歩き、豊似湖駐車場まで歩いて戻りました。
まとめ
- 沼見峠では江戸時代の石碑を見る事が出来るのでぜひ立ち寄りましょう。
- ダニはかなり多め。登る際は肌を露出しないような服装で。
- 豊似湖ではナキウサギも見られるので、探してみよう!
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
登山・ハイキング倶楽部では、登山ガイド・森林インストラクターの橋本竜平がご案内する、会員制のガイドツアーを実施しております。
顔が見える範囲の少人数制で、自然を楽しみながら歩くことを目的として立ち上げた倶楽部です。
もしよろしければ、一緒に山歩きを楽しんでみませんか?