登山・ハイキング

【タウシュベツ川橋梁】冬のアクセス、見所まとめ

今回は、数年前から大人気のタウシュベツ川橋梁についてご紹介したいと思います。

毎年ガイドで訪れる大好きな場所で、冬の晴天率も良い地域なので、冬のアウトドアに慣れてない方もオススメです。

タウシュベツ川橋梁は年々損傷が激しくなっているので、まだ見てない人は崩れる前にぜひ訪れて欲しい場所です。

またタウシュベツ川橋梁のある糠平湖は、アイスバブルキノコ氷など、他にも見所がたくさんあるので、今回はまとめて解説させていただきたいと思います。

タウシュベツ川橋梁とは

タウシュベツ川橋梁(きょうりょう)は北海道上士幌町の糠平湖にある、コンクリート製のアーチ橋です。

糠平にある旧国鉄士幌線コンクリートアーチ橋梁群の中でも特に人気で、北海道遺産にも認定されています。

毎年、6月~10月は糠平湖の水位が上がって水没するため、年々損傷が激しくなっています。

アクセス

国道237号線の道路沿いの両側に、駐車スペースがあります。

糠平湖は、タウシュベツ橋梁に訪れるハイカーだけでなく、ワカサギ釣りや、ファットバイクの方などたくさんの方が訪れる人気スポットです。

シーズン中の土・日・祝は、駐車スペースがいっぱいになることもあります。

見頃の時期

1月下旬~2月中旬頃が見ごろのシーズンです。

湖への立ち入りは、氷が厚く張ってからなので12月下旬(年によって変動あり)からですが、この時期は湖の水位が下がりきっていないので、タウシュベツ橋梁がまだ部分的に氷の下に埋まっていたり、キノコ氷が見られなかったりします。

また湖への立ち入りが禁止となる時期は、2月20日頃~下旬以降(※年によって変動あり)ですが、暖気などで氷の状況が悪ければ、もっと早まる可能性があります。

※2020年は、3月9日(月)より湖上への立ち入りが禁止となりました。

※2021年は、2月12日(金)より湖上への立ち入りが禁止となりました。
これは糠平湖ができた1956年から最も早期の立ち入り禁止になります。

※2022年は、3月14日(月)より湖上への立ち入りが禁止となりました。

※2023年は、3月1日(水)より湖上への立ち入りが禁止となりました。

※2024年は、2月1日(木)より湖上への立ち入りが禁止となりました。
3年前の記録を更新して、史上最も早い立ち入り禁止となりました。例年より早い水位の低下や気温の上昇が要因との事です。

必要な装備

【防寒具】
冬の糠平湖はものすごく寒いです。

ほとんどが氷の上を歩き、風を遮ってくれる樹木が無いため、風の強い日は特に厳しい気象条件です。

スキーウェア、グローブ、帽子、ゴーグルorサングラスなど、防寒対策は絶対に怠らないで下さい。

【スノーシュー】
雪の上を歩くので、スノーシューがあると便利です。

ただあまり雪の多い地域では無いので、雪があまり積もってなければ、スノーブーツや長靴などで問題無いこともあります。

また近年は見学者も多いので、踏み跡がしっかりついていることも多いです。

歩行ルート・所要時間

目指すタウシュベツ川橋梁は、国道から入って、糠平湖の対岸にあります。

ほとんど起伏の無い地形なので、地形図だと分かりずらいですが、湖の中には、丘のように盛り上がっている箇所もあります。

タウシュベツ川橋梁までは、片道1時間ほどの道のりです。見学時間も含め、往復2時間30分~3時間ほど見積もっておけば問題無いと思います。

糠平湖で見たい3つの見所

ただタウシュベツ橋梁を見に行くだけでなく、道中には他にも見所があるので、事前にチェックして見逃さないようにしましょう!

アイスバブル

氷の中に、たくさんの気泡が見られる箇所があります。

これはアイスバブルと言って、湖底の植物から発生するメタンガスが、湖面に上がりきる前に凍り、このような不思議な模様を創り出しています。

『アイスバブルが見られる条件・場所』

・湖の中でも、比較的森に近い部分で良く見られる

・湖上にあまり雪が積もっていない事
※積もっている場合は除雪&お湯(テルモスorやかんで沸かす)で氷の表面を綺麗にすれば見学出来ます。

このアイスバブルは、どこの湖でも見られる現象ではありません。

糠平湖はダム建設の際に作られた人造湖であることがポイントで、湖が形成される際に大量の植物が湖の底に沈んでしまいました。

その枯死した植物の遺骸からメタンガスが発生しているので、近くの天然湖の然別湖(しかりべつこ)では、アイスバブルはほとんど見られません。

バブルの大きさも場所によって様々で、自然の創り出す造形美は本当に美しいですね。

ちなみにこのメタンガス可燃性ガスなので、表面に傷をつけて火を近づけると、氷が燃える不思議な光景を見る事が出来ます。

キノコ氷(アイスマッシュ)

残念ながら食べれないキノコですが、切り株の上に氷が乗って、まるでキノコのように見える事からキノコ氷と呼ばれています。

このキノコ氷の形成にも、糠平湖が人造湖であることが一役買っています。

糠平湖のダム建設の際に、切り落とされた樹木が切り株として湖の下に残り、湖の水位が下がった際氷が切り株の上に取り残されることで形成されます。

こちらの写真を見ると、キノコ氷の形成が分かりやすいと思います。

氷の下の水位が下がり、切り株の真上にある氷が割れて残ることで、このユニークな形になります。

また上の写真のように、キノコ氷の中にアイスバブルが見られることもあります。

一見、偶然のコラボレーションのようにも見えますが、切り株から出たメタンガスがアイスバブルとなるので、考えてみると納得です。

タウシュベツ川橋梁

糠平湖1番の見どころのタウシュベツ川橋梁です。

まだJRが国鉄の時代、1939年(昭和14年)に、士幌線が十勝三股駅(とかちみつまたえき)まで開通時に、タウシュベツ川にかけられたコンクリート製のアーチ橋です。

1955年(昭和30年)に、発電用の人造湖の糠平ダムが建設され、周辺は湖に沈むこととなってしまいました。

上の写真では、タウシュベツ川橋梁の向こうに、東大雪の名峰『二ペソツ山』がそびえ、とても素敵な景観となっています。

毎度訪れるたびに、当時の鉄道に乗ってこの景色を見てみたかったなぁ・・・と思ってしまいます。

近くで見ると、コンクリートの中の鉄筋が見え、ボロボロな姿なのが一目瞭然です。

日本人の美意識に当てはまる、『崩れかけの美(アーチ橋)』、『はかないもの(移り行く時代)』、『山や森などの自然(周辺の森や山岳景観)』

ここには人の琴線に触れる全てが揃っていので、ここまで人気のスポットになったのではないでしょうか。

毎年、秋ごろには水没してしまうため、年々崩れるのではないかと噂されています。

かといって、橋自体を補強してしまうと台無しなので、悩ましい問題です。

私個人としては、ニペソツ山一緒に写真を撮るのがイチオシです。

また橋脚についた氷が写真に写っていますが、これは糠平湖の水位が低くなっているのを物語っています。

冬期(1~3月)の糠平湖は、発電のため日に日に水位が低くなっていきます。

橋脚についた平たい氷は、水位が下がった際にくっついて取り残されているわけですね。

周辺のオススメ宿

旅の旅籠 山湖荘(さんこそう)

糠平温泉にある温泉宿で、全室に囲炉裏がついているのが魅力です。

客室数も多くないので、静かにゆったり楽しむ事が出来ます。

料理も美味しく、ここの温泉豆腐が特に絶品です。

リピーターも多く、宿のご主人の人柄も素敵なイチオシの宿です。

公式サイト:山の旅籠 山湖荘
楽天トラベル:山の旅籠 山湖荘

糠平温泉 中村屋

こちらも糠平温泉にある、昭和レトロな温泉宿です。

大きな宿ではありませんが、心温まるおもてなしの接客で、とても人気の宿です。

公式サイト:糠平温泉 中村屋
楽天トラベル:

まとめ

・見頃は1月下旬~2月上中旬

・所要時間は2時間30分~3時間

・橋が崩れそうなので、早めに行っておいた方が良い!

御覧いただきまして、ありがとうございました。

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