狭薄山基本データ
狭薄山(さうすやま)は、札幌市南区にある標高1296.1mの山です。
夏の登山道が無いので、主に積雪期に登られますが、距離も標高差もある為、3月以降の春山シーズンに良く登られています。
札幌の市街地からも良く見える山で、札幌岳と空沼岳の間に見える三角形の山容が特徴的です。
タイトルに「難関コース」と付けましたが、特別に危険な箇所もなく、距離が長いだけなので、ラッセルの無い3月下旬頃が登るのにはちょうどいいと思います。
アクセス
国道230号、中山峠より札幌方向にある「望岳橋」の南側に広い駐車帯があります。
GPSログ
最初は望岳橋から220m程下り、その後は平坦な林道歩き、その後は尾根に取り付き、山頂まで745m程登ります。
出だしの220mの下りが帰りは登り返しになるので、精神的にちょっとまいります。
今回はお客様をご案内して、山頂まで片道3時間40分(休憩込み)、約7㎞の行程でした。
登山道の様子(取材日:20/3/26,29)
望岳橋の駐車場から、いきなり下りが始まります。
豊平川沿いの林道まで標高差220m程降りていきます。
林道まで降り切ったら、橋を渡って約2kmの林道歩きが始まります。
札幌市民にはなじみの深い、豊平川の上流です。
カワガラスの鳴き声も聞こえました。
途中で左手に、漁入水位観測所が立っています。
水位観測所の反対側には「アサヒビールの森」の看板、色味がとても目立ちます。
この後は林道のヘアピンカーブをショートカットして、尾根に取り付きます。
尾根に取り付いたら、急な登りもあれば平坦な地形もある、メリハリの利いた道のりです。
標高点1036m付近は、狭薄山の眺めが良いです。
これ以上近づくと、全体像が見えなくなるので、写真を撮るならここがベストだと思います。
尾根が狭いので、この山はスノーシューが向いています。
今回のルートでは、ほとんど滑る場所も無く、尾根上も木が混んでいます。
山頂は木が無く、360度ぐるっと見渡せる最高の展望台でした。
まずは登ってきた尾根を振り返ると、「羊蹄山」や「ニセコ連山」、「喜茂別岳」から「無意根山」などが見えていました。
ちょっとアップにして、山座同定で名前を入れておきました。
「岩内岳」も見えていたのがちょっと意外でした。
お次は、先ほど写真の一番右手に映っていた「並河岳(なみかわだけ)」から「余市岳」までパノラマです。
上の写真だとわかりませんが、実は「無意根山」と「余市岳」の間に、肉眼でははっきりと、意外な山が見えていました。
積丹半島最高峰の「余別岳」と、「積丹岳」でした!
遠望が利いていると嬉しくなりますね。
札幌市最高峰の「余市岳」の右には、余市三山の「朝里岳」と「白井岳」、その右下には黒々とした岩峰の「定山渓天狗岳」が見えています。
今度は先ほどの余市岳付近をちょっと引きで写した写真。
ちょうど谷を挟んですぐ反対側にあるのが、「札幌岳(1293m)」です。
今度は先ほどの写真の右側の続き。
「札幌岳」も近く見え、尾根続きで歩いて行けそうですが、深い「ガマ沢川」があり、歩いていくには一苦労な距離です。
札幌岳右側には、「手稲山」を始めとした色々な山が見えました。
この辺はごちゃごちゃしてますが、「手稲山」の鉄塔が目立つので分かりやすいです。
次は札幌市街地方面の展望です。
藻岩山スキー場の南斜面が良く目立っていて、その向こうに札幌の街並み、奥には白い樺戸山塊が見えています。
「空沼岳」方向は、真簾沼(まみすぬま)が白く見えているのが面白いです。
真簾沼の横の標高点1180のとんがりも目立ちますね。
次は空沼岳から稜線続きの「漁岳」方面。
恵庭岳が良く目立っていますね。
支笏湖は残念ながら手前の稜線が邪魔して見えませんでした。
南の展望は、胆振地方の「ホロホロ山」、「徳舜瞥山(とくしゅんべつやま)」、「オロフレ山」などが見えました。
ルスツリゾートのある、「貫気別山(ぬきべつやま)」とその隣の白い雪原が目立つ「竹山」が見えます。
以上、ぐるっと360度山座同定コーナーでした!
上の写真には紹介しそびれた「尻別岳(1107m)」が羊蹄山の左にあります。
狭薄山の東面は木の無い良い斜面が広がっていましたが、崩壊した雪庇の衝撃で、デブリがちらほらと。
厳冬期に滑ったら楽しそうな斜面ですが、アプローチが遠いのがネックです。
天気も良く風も無かったので、この日は山頂でのんびりしてから下山しました。
下山後の駐車場から撮った「狭薄山(右)」と「札幌岳(左)」です。
まとめ
- 展望は最高!晴れてる日に登りましょう
- ロングコースなので3月下旬~がおすすめ
- 山スキーよりスノーシュー向き
最後まで御覧いただきまして、ありがとうございました。
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