2020年7月1日(水)、花の綺麗な「暑寒別岳」へ登ってきました。
ツアーの報告はFacebookやインスタグラムが多いですが、たまにはブログでも報告させていただきます。
暑寒別岳(しょかんべつだけ)基本データ
暑寒別岳(しょかんべつだけ)は標高1492mの山で、増毛山地の最高峰です。
日本海からの季節風をまともに受ける豪雪地帯で、春山スキーの時期はとても人気があります。
雪が解けて初夏になると、斜面一面が高山植物の咲き誇るお花畑となり、今回はお花狙いでのツアー設定にしました。
登山ルートは増毛側に箸別(箸別)コースと暑寒コース、雨竜沼コース、の計3コースがあります。
ここの登山ルートは蚊やブヨなどの刺す虫がとても多いので、防虫対策が必須です。
前泊地は増毛の民宿へ
ぼちぼちいこか増毛館
初日は移動日。
元々避難小屋に泊まろうと思っていたのですが、お客様の要望により増毛の民宿へ。
建物は古いですが、風情があって素敵なお宿でした。
美味しい生ビールが飲めるのが良かったです。
夕食は有名店の「まつくら」
ぼちぼちさんの向かいに、有名な「まつくら」さんがあるので、こちらで夕食をいただきました。
私は控えめに「中なまちらし」と「タコザンギ」
夕食は17時以降の予約を取ってないとの事で、早めの夕食となりました。
私たちが出た後は、すぐにクローズとなっていました。
昼間のお客さんが多いらしく、夜はわりと空いていました。
お風呂はオーベルジュましけ
お風呂は車で数分の「オーベルジュましけ」さんへ。
入浴後、駐車場から見た夕焼けがとても綺麗でした。
箸別(はしべつ)コース
翌日は早朝出発、町内にあるセブンイレブンで朝食と昼食を買って、登山口へ。
箸別コースの入口までは、町内から約1時間ほどでした。
登山口まで全線舗装道路なのがありがたかったです。
序盤は「サワフタギ」などの日本海に見られるお花がありました(写真無し)が、あまり目立った花がありません。
四合目ぐらいから多少お花が出てきます。
最近流行りの花弁がスケスケになった「サンカヨウ」が見られました。
「ツバメオモト」もたくさん咲いていました。
神奈川県からお越しのお客様は、この「サンカヨウ」と「ツバメオモト」がたくさん見られたのが嬉しかったようです。
群生する「フギレオオバキスミレ」
単調な道のりを彩ってくれるお花の存在がとてもありがたいです。
上部で見られたダケカンバの並木道
七合目からは樹木が無くなりスッキリとした展望!のはずがややガスが濃い感じでした。
樹林帯は刺す虫が多く苦労しますが、とりあえずここまでくれば虫が少なくなります。
雪が解けた場所から「ショウジョウバカマ」が花を咲かせていました。
箸別コースの魅力は七合目から山頂まで続く一面のお花畑!
この先はお花見登山となりました。
「トウゲブキ」は咲き始め。
あと1週間後ぐらいだと見頃だったかもしれません。
「サマニヨモギ」は北海道の様似町から名前が付けられた高山植物。
海の見える山に良く似合っています。
レブンサイコも日本では北海道でしか見られません。
水滴が水玉になって綺麗でした。
暑寒別岳のお花畑はまさに「百花繚乱」の言葉がピッタリです。
お花畑は以下の種から構成されていました。
- エゾノハクサンイチゲ(白)
- シナノキンバイ(黄)
- ハクサンボウフウ(白)
- ミヤマアズマギク(紫)
- シラネアオイ(紫)
- ハクサンチドリ(赤)
- ミヤマキンポウゲ(黄)
稜線上のお花畑で、「シラネアオイ」が混じっているのが珍しい感じがしますね。
標高1500mに満たない稜線なので、気象条件的にちょうど良かったのでしょうか。
先ほど上の写真を見て「あれっ?」と思った方はなかなか鋭い方です。
暑寒別岳のお花畑では、「エゾノハクサンイチゲ」の奇形種が見られます。
花弁が八重咲で、先端に切れ込みが入り、ミドリニリンソウのように緑色が入っています。
この珍しい奇形種は1株だけでなく、たくさん見られるのが嬉しかったです。
7合目から上はこんなお花畑が続くので、なかなか足が進みません。
シナノキンバイとエゾノハクサンイチゲの相性はバッチリですね。
展望が無くても花が見れる楽しいコースです。
お花畑の中を登っていく参加者のみなさま。
雲が湧いて周囲の景色はあまり見られなかったですが、おかげで視界一面がお花畑で幻想的な光景でした。
山頂近くで見られた「マシケゲンゲ」
固有種が見られるのも嬉しいです。
ちょっと地味だけど「ミヤマオグルマ」
毛深いのがとても目立つ花です。
「エゾヤマゼンゴ」
エゾノシシウドの高山型です。
また来年も歩きたいと思える山でした。
来年も参加者集まるかな?リクエストお待ちしております。
登山・ハイキング倶楽部では、登山ガイド・森林インストラクターの橋本竜平がご案内する、会員制のガイドツアーを実施しております。
顔が見える範囲の少人数制で、自然を楽しみながら歩くことを目的として立ち上げた倶楽部です。
もしよろしければ、一緒に山歩きを楽しんでみませんか?