天気の良い日に祖母山へ登ってきました。
過去何度か登った妻の勧めで、今回は尾平登山口から黒金尾根を経て、宮原コースへの周遊登山です。
他のコースはイマイチ面白くないとの話でしたが、確かにこちらのコースは変化に富んだ良いコースでしたので、ご紹介させていただきます。
祖母山とは
祖母山(そぼさん)とは、大分県と宮崎県の境界にある標高1,756mの山です。
日本百名山にも選ばれていますが、近くにある百名山の阿蘇山や九重山の華やかな印象に比べると、やや地味な印象があります。
また宮崎県内では最高峰ですが、大分県内にはくじゅう連山の中岳(1791m)など、祖母山より高い山が5座あります。
アクセス
今回は尾平(おびら)登山口からスタートします。
主要な町から離れた山奥の登山口なので、アクセスの不便な場所です。
GPSログ
尾平登山口から川上渓谷を抜けて、黒金尾根を登り、祖母山の山頂へ。
下山は宮原(みやのはる)コースから登山口へ下山する周遊コースです。
距離約11㎞、ゆっくり歩いて休憩込みで9時間58分の行程でした。
登山道の様子(取材日:22/11/8)
尾平登山口の駐車場に車を停めて出発です。
もみ志や駐車場の看板があり、駐車料金の500円を備え付けの封筒に入れ、投函する仕組みになっています。
登山口から進むと、祖母山から続く岩尾根の稜線が見えてきました。
登りで使う黒金尾根は、天狗岩のやや右手あたりに向けて登山道が続いています。
陽が登り、崖斜面が朝日に染まってとても綺麗でした。
「そはやき要素の植物」という分け方があるのですね。
漢字だと襲速紀要素と書くようで、九州中南部・四国南部・紀伊半島・東海地方を中心に分布している植物達になります。
川上渓谷沿いの道には、吊橋がいくつか架けられています。
渓谷沿いの紅葉を楽しみながら進んで行きます。
渓谷から尾根の取り付き箇所がなかなか急で、ロープ場もありました。
所々に標高の看板があるのが良い目印になりました。
主稜線の上に乗る標高1580m付近まではしばらく登りが続きます。
標高1050m付近は紅葉の見頃でした。
太陽の光も入り、綺麗に色づいた森の中を登っていきます。
個人的にあまり見慣れていない木、「タカノツメ」が綺麗に黄葉していました。
コシアブラに似た樹形ですが、葉の枚数がこちらは3枚で、黄色もやや鮮やかに黄葉します。
このタカノツメ、北海道では道南に分布しているらしいので、今度探してみようと思います。
道南の山でもあまり見た事が無いのですが、松前のあたりまで南下したら見られるのでしょうか。
標高1300mまで登ってきました。
枯れたスズタケの中を進みます。
天狗の岩屋につきました。
とても大きな岩で、雨宿りが出来そうなぐらいスペースがあります。
白い文字で、「天狗の岩屋(泊)」と岩壁に書いていました。
稜線の分岐まで到着しました。
ここからは楽しい稜線歩きが始まります。
少し進んだ箇所に展望台の分岐があったので、ルートを少しだけ逸れて行ってみます。
展望台からは、傾山方面の見晴らしが良かったです。
写真下部にある広いグラウンドのようなスペースのちょっと上ぐらいに尾平登山口があります。
展望台から見た祖母山山頂です。
稜線まで上がってしまえば、もうすぐ!といった感じに見えます。
ここから先の登山道も、枯れたスズタケが良く目立っています。
また所々展望台分岐がありましたが、全てスルーしてまっすぐ山頂へ向かいます。
稜線から山頂直下にある、白いはしごが見えました。
垂直に伸びるはしごに、参加者の皆さんの緊張が高まります。
山頂直下の岩場で、はしご場が連続して現れました。
足を滑らせないように慎重に進みます。
手がかりやロープがしっかり整備されているので、問題無く通過出来ました。
祖母山山頂に到着です。
途中の尾根から見た垂直に伸びるはしごは、結局通りませんでした。
調べてみると、どうやら冬季ルート用のものだったみたいです。
こんな味のある山頂看板も。
そこそこ広さのある山頂で、たくさんの登山者が休憩していました。
それでは周囲の展望を見て行きましょう。
くじゅう連山は近い距離なのですが、少しもやっとして見えていました。
こちらは天狗岩横の展望台からも良く見えていた、傾山(かたむきやま)方面の展望です。
傾山は日本三百名山にも選ばれており、また祖母山と共に祖母傾国定公園(そぼかたむきこくていこうえん)として指定されています。
日本二百名山に選定されている大崩山(おおくえやま)から続く山並みです。
祖母山から尾根続きの、障子岩と大障子岩です。
隣同士で、どちらも山頂部の岩峰が良く目立ちます。
阿蘇山の展望です。
根子岳のギザギザが良く目立っています。
宮原(みやのはる)コース側へ下山を開始します。
九合目にある避難小屋に立ち寄りました。
トイレも利用可能です。
中にはこたつがありました。
居心地の良さそうな避難小屋です。
避難小屋を後にし、下山していきます。
日当たりの良い斜面ではリンドウが咲いていました。
尾根上に、一ヶ所緊張するロープ場のトラバースがありました。
こちらも注意して進んで行きます。
時期外れのシソバタツナミソウがまだ咲いていました。
尾根から離れ、宮原コースの急な下りに入ります。
こちらのコースも中腹は紅葉が綺麗でした。
主幹が4本に枝分かれしたヒメシャラの木。
最後に1か所川を渡渉すると、川上渓谷沿いの登山道へ合流します。
日の短い時期になりましたが、明るいうちに下山出来ました。
午後は逆光気味になるので、ここから見る祖母山は午前中の方がオススメです。
まとめ
- 黒金尾根は最後にはしご場があるので、登りで利用するのがオススメ!
- くじゅう連山や阿蘇山など、山頂からは360度の展望を楽しめる。
- 川沿いの渓谷、ロープ場、はしご場など、変化に富んだルートで飽きない。
久しぶりに登った九州の山、天気に恵まれて気持ちの良い登山になりました。
最後まで御覧いただき、ありがとうございます。
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