ツアーの下見で幌向岳に登ってきましたので、今回ご紹介したいと思います。
あまり知名度のある山では無いですが、魅力たっぷりな山で楽しめました。
幌向岳とは
幌向岳(ほろむいだけ)は標高836.3mの山で、山頂が岩見沢市、三笠市、夕張市の境界点となっています。
名前の由来は、岩見沢市を流れる幌向川の源頭にある事が由来で、山の少ない岩見沢市では幌向岳が最高峰です。
以前は夏にも登られていた事があったようですが、現在は夏道が無く、主に積雪期に登られています。
尾根上は適度な疎林で夕張山地の展望が良く、低山ながら滑りが楽しめそうな斜面もあります。
アクセス
幌向岳へ登るのは岩見沢市の万字地区からが一般的ですが、今回は夕張市側から東尾根経由で山頂を目指します。
国道452号線の「沢見橋」の南側に林道の入口があり、状況によって除雪されていますが狭い(1~2台)です。
今回は少し自分たちで除雪して1台分のスペースを確保しました。
この登山口周辺は山奥で電波が無いので、トラブルの無いよう注意しましょう(ヘッドライトの消し忘れなど)。
また北側の桂沢湖方面から来る方は、桂沢除雪ステーションが最終トイレになります。
南側の夕張方面から来る方は、夕張市内のコンビニを利用する形になります。
GPSログ
最初は沢沿いの林道歩きで、途中で作業道を利用しながら尾根に取り付きます。
標高点735の台地まで上がると周囲の展望を楽む事ができ、山頂までは緩やかな尾根歩きが続きます。
山頂まで登り3時間45分程(休憩込み、スノーシュー利用)、片道4.8㎞でした。
登山道の様子(取材日:2022年1月20日)
国道452号線の沢見橋からスタートです。
今回はツアーの下見で駐車場を除雪して作るのがメインの目的でしたが、ある程度除雪されていたので苦労せず1台停められました。
序盤はひたすら林道沿いを歩いていきます。
今回歩いた1月20日は二十四節気の「大寒(だいかん)」、1年で一番寒さが厳しくなる時期です。
-15℃以下で冷え込みましたが、天気が良く風があまり無かったので助かりました。
人工林看板と尾根に向かって上がる作業道を見つけたので、これを一部利用しながら稜線へ向けて登り始めました。
昭和35年に植えられたカラマツの植林地を進んで行きます。
壊れた電信柱が2本見えました。
人気の無い山奥ですが、昔は何か施設でもあったのでしょうか。
徐々に高度を上げていくと、木々の隙間から夕張岳が見えてきました。
稜線上の展望に期待が高まります。
雪が深そうなイメージでしたが、そこまで沈まない雪質で歩きやすかったです。
岩見沢市は豪雪地帯のイメージですが、幌向岳が位置しているのは岩見沢市の東端で、どちらかといえば夕張寄りの気候なのでしょうか。
標高点735mのある台地まで登ると、夕張岳がスッキリと見えました。
北側に目を向けると芦別岳も綺麗に見えています。
ここから先はゆるやかに尾根を進んで山頂へ向かいます。
とても平坦で歩きやすい尾根が続きます。
木々の間から見える山々を探しながら歩いていきます。
細かい尾根が屏風のように連なっているこの低山は、シューパロ湖の西にある通称「八百五十」という山です。
山々の間から穂別の坊主山と、むかわ町と平取町を隔てる稜線上にあるハッタオマナイ岳、宿弗山(しゅったやま)が見えました。
この辺の山は地味なので見分けが大変ですね。
日高山脈のイドンナップ岳が綺麗に見えました。
テーブルマウンテンのような平らな稜線がとても特徴的ですね。
もう少し標高を上げると幌尻岳が綺麗に見えてくるのですが、この時はほとんど隠れていたので気が付いていませんでした。
快適な尾根歩きが続きます。
少し風が当たるようになってきたので、フードも被って完全防備で進みます。
次第にダケカンバ林に変化していきました。
急に疎林になって開けてくると、まもなく幌向岳の山頂です。
幌向岳の山頂に到着です。
残念ながら山頂看板は設置されていません。
支笏湖方面の恵庭岳と風不死岳が見えました。
この日は南側の方が少し雲が多めです。
雲が無ければ、恵庭岳と風不死岳の間に「ホロホロ山」や「徳舜瞥山」が見えるはずです。
山頂から石狩平野方面の展望です。
まさに平野といった平らな地形が良く分かります。
先程の写真をアップにしてみましょう。
直線距離で127㎞離れている「積丹岳」が見えました。
写真だと少し分かりにくいですが、積丹岳の山々の下に石狩湾も写っています。
写真手前に見えているスキー場は「萩の山スキー場」で、スキー場周辺の丘陵地は「利根別原生林」です。
今度は少し方向を変えて、余市岳方面を見てみましょう。
札幌市最高峰の余市岳の他、札幌市内の特徴的な山々が見えていました。
定山渓天狗岳も左からⅠ峰、Ⅱ峰、Ⅲ峰と綺麗に見えるのが感動的ですね。
中山峠方面には、無意根山から札幌岳にかけての稜線と、その奥に羊蹄山も見えていました。
今度は少し北側へ目を向けると、増毛山地と樺戸山地が重なって見えていました。
少し内陸に位置する樺戸山地ではピンネシリ、待根山、隈根尻山、神居尻山が見え、その奥に日本海側に位置する増毛山地の暑寒別岳、群別岳、奥徳富岳が見えています。
あまり見た事のないアングルだったので、最初は山座同定に戸惑いました。
この標高でこれだけの展望が見られれば大満足です。
歩いている姿も絵になりますね。
芦別岳方面もバッチリ見えています。
尖ったピークが多くて少し分かりにくいですね。
分かりやすいように名前を入れてみました。
双耳峰の小天狗と夕張中岳は地形図上には名前がありませんが、登山者から呼ばれて定着している名称です。
また南喜岳は「ポントナシベツ岳」の別名もあります。
芦別岳から夕張岳方向へ目線を移すと、鉢盛山と1415峰が特徴的です。
あまり個人的には好きな名称ではありませんが、1415峰は別名「夕張マッターホルン」とも呼ばれています。
山頂から標高80mほど下った箇所で、登りでは気が付かなかった日高山脈の最高峰、幌尻岳が見えました。
写真はズームで撮っていますが、肉眼でわかるほど北カールの形がくっきりしていました。
左手には戸蔦別岳(とったべつだけ)、右手奥にはしっかりとカムエクも見えています。
下山も芦別岳や夕張岳を見ながらで、とっても楽しめる山です。
厳冬期は太陽高度が低いので、稜線を歩いていると谷に映った自分の影が見えて面白いです。
木々のシルエットも素敵ですね。
稜線上から振り返って見た幌向岳です。
平らな山頂だったので、周囲の山々から見つけるのはなかなか難しいと思います。
夕張岳から芦別岳の山並みが素敵な山でした。
まとめ
- 低山ながら夕張山地の眺めが魅力的。
- 距離はあるが、標高差約450mほどで登りやすい。
- 疎林が多く、山スキーも楽しめる。
駐車場さえ確保できれば、標高差も少なくて登りやすいので、万字コースよりオススメです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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