自然観察・コラム

団体では行きづらい、『北海道の山』リスト

今回は元旅行会社の私が、会社員自体に企画したかったけど出来なかった『北海道の山』をご紹介したいと思います。

旅行会社の団体ツアーは、バスの運行時間の縛り、大人数の登山で一般登山者へ迷惑をかけないか、林道はバスの通行が可能か、などいくつもの要因を考えて企画をしております。

北海道には団体では行けないけど、素敵な山がたくさんあるので、私の主観でいくつかピックアップしてみました。

道央圏の山

定山渓天狗岳


お花が綺麗な定山渓天狗岳(じょうざんけいてんぐだけ)は、登山道の一部に急なルンゼがあるので、大人数で押し掛けると一般登山者に迷惑がかかるので、企画が出来ませんでした。

花と険しさが魅力の山で、個人的には道央圏で一番好きな山です。

空沼岳

林道が狭く、登山道の距離も長いので団体ツアーは企画が出来ませんでした。

少人数のグループでのんびり歩きたい道です。

無意根山


こちらも林道が狭く、バスの転回が難しい場所です。

また無意根山はなぜか女性受けが良くない?ような気がします。

カムイヌプリ


室蘭岳のお隣のカムイヌプリは、近年林道状況が悪く、マイクロバスでも通行が難しい状況です。

以前は室蘭岳~カムイヌプリの縦走が人気だったのですが・・・。

大雪山周辺

ニセイカウシュッペ山


登山口にアクセスする『古川砂金越林道』は、マイクロバス以上の大型車両の通行が禁止されています。

花も綺麗で人気の山だっただけに、お客様からも行きたいとの声が多かった山です。

夕張岳


夕張岳は林道が狭い、駐車スペースが少ない、花の時期は混雑する、の3拍子が揃っており、団体ツアーとしては企画しませんでした。

6月下旬に見られる『ユウバリソウ』はここでしか見られないので、ぜひ一度は行く価値があります。

忠別岳・五色岳・化雲岳


全てひとまとめにしましたが、こちらは単純に日帰り圏内の山じゃなく、避難小屋泊が必要なため、団体登山では無理でした。

主にトムラウシの縦走で通る山々です。

オプタテシケ山・美瑛富士


オプタテシケ山は健脚者なら日帰り可能ですが、団体だと難しいです。

また美瑛富士の避難小屋はキャパシティーが広くないので、大人数で押し掛けると確実に迷惑が掛かります。

美瑛富士とオプタテシケ山は、避難小屋泊でセットでのんびり登りたいですね。

支湧別岳


苔の林床が美しい山ですが、林道が狭くバスの通行は難しいです。

2018年の台風で林道が決壊しており(2019年12月現在)、ますます遠い山となってしまいました。

日高周辺

剣山

札幌からの日帰りだと、微妙にバスの拘束時間がオーバーする&上部の梯子場で渋滞すると考えて、企画を断念した山です。

狭い岩場の山頂は高度感満点で、十勝平野の展望が素敵です。

ペンケヌーシ岳


林道が狭くてバスの通行が難しいので企画断念していた日高の花の名峰です。

日高山脈で唯一コマクサが自生しており、またヒダカキンバイソウのお花畑が綺麗な登山道です。

2019年12月現在、登山道にアクセスする林道は崩落のため、通行止めとなっております。

十勝幌尻岳


林道がバスの通行には狭く、標高差約1200mの登山道は札幌からの日帰りは厳しいです。

見渡す限りの大展望が魅力で、また再訪する機会を個人的に楽しみにしています。

前に訪れた時は、地元の学生登山の大型バスが林道の路肩に落ちており、私も巻き添えで数時間、登山口に閉じ込められました。

誰が見ても大型バスの通行は無理な林道なのに、無理やり連れて来られた十勝の黄色いバスの運転手さんが不憫でなりません。

こちらの山も、2019年12月現在、登山道にアクセスする林道は崩落しております。

ピセナイ山


こちらも林道が狭く、また崩壊しているので団体ツアーは断念している山です。

日高山脈の展望が魅力で、またソラチコザクラが見られるのがお気に入りです。

その他の地域

大平山


大平山(おびらやま)は希少な高山植物が自生しており、団体ツアーでは脆い植生を痛めてしまうため、企画はしませんでした。

この山は植生に配慮出来る小グループで登ってほしいですね。

大平山の名前が付いた『オオヒラウスユキソウ』や、『カドバリヒメマイマイ』が見られます。

ピッシリ山


ピッシリ山(ぴっしりさん)は、札幌からも距離があり、林道が狭いので団体ツアーの企画は出来ませんでした。

道北では珍しく1,000mを超える山で、稜線歩きが楽しいコースです。

マルバキンレイカが見られますよ。

まとめ

今回は、私が元会社員自体に企画したかったけどツアー企画が難しかった山をご紹介しました。

2018年の台風で北海道内各地の林道がダメージを受けていますが、早く復旧を祈るばかりです。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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