九州を代表する山、阿蘇山へ登ってきました。
火の国熊本を代表する山で、登山者も観光客も多い、九州の中ではとても人気のある場所です。
この日もとても天気が良く、のんびり楽しんできました。
阿蘇山とは
阿蘇山(あそさん)は、熊本県阿蘇地方にある火山で、阿蘇五岳を中心とした東西にのびる連山の総称です。
阿蘇カルデラは南北25km、東西18kmの巨大カルデラで、北海道の屈斜路湖に次いで日本第2位の面積になります。
阿蘇山の最高峰は阿蘇五岳の一つ、高岳(1592m)で日本百名山にも指定されています。
【阿蘇五岳(あそごがく)】とは
- 高岳:1592m
- 中岳:1506m
- 杵島岳:1321m
- 烏帽子岳:1337m
- 根子岳:1433m
阿蘇山は単体の山ではなく、高岳・中岳・烏帽子岳・杵島岳・根子岳などの山々の事で、代表的な五つの山を総称して阿蘇五岳と呼ばれます。
世界有数の大型カルデラやたくさんの外輪山を持ち、中岳火口は多くの観光客が訪れる場所でもあります。
噴火警戒レベルが上がると、火口周辺が規制される場合も少なくないので、行く予定の方は事前にチェックしておきましょう。
別リンク:気象庁 阿蘇山の活動状況
別リンク:阿蘇火山火口規制情報
アクセス
【入山口】
砂千里ヶ浜駐車場に車を停めて出発しました。
ここまで車を入れる場合は、阿蘇山有料道路を通る必要があり、普通車800円、開通は8時半から(夏季~秋季)です。
※2022年度時点の料金です。また有料道路のゲート開門時間は季節により変わりますので、最新の情報は阿蘇市のホームページでご確認下さい。
別リンク:阿蘇市
この砂千里ヶ浜の駐車場はそこまで広くないので、満車の場合は有料道路手前の駐車場(トイレ有)か、有料道路の終点にある中岳第一火口の駐車場(トイレ有)を利用してください。
下山は仙酔尾根を下り、仙酔峡駐車場(無料)へ下山します。
以前は仙酔峡ロープウェイが運行していましたが、2010年から運休して、その後営業休止になっていまいました。
GPSログ
砂千里ヶ原から中岳、高岳を登り、下りは仙酔尾根から下山する縦走ルートです。
砂千里ヶ浜から阿蘇山最高峰の高岳までは、標高差で約350mほどで、とても登りやすい登山道になります。
下山で利用した仙酔尾根は通称バカ尾根とも呼ばれており、高度感のある急傾斜が長く続きます。
全行程、歩行距離は約6㎞、歩行時間は約5時間(休憩込み)でした。
登山道の様子(22/11/09)
宿泊した休暇村阿蘇から見た阿蘇山です。
皆既月食のあった翌朝、山肌が朝焼けに染まり、本日の登山への期待が高まります。
たまたま訪れた2022年11月9日は、1年1ヶ月ぶりに火口見学が一部再開されるとの事で、多くの観光客と報道陣が訪れていました。
せっかくなので、登山前に中岳火口の見学をする事にしました。
周辺には噴石シェルターがあり、中にはヘルメットが常備されていました。
2014年に噴火した御嶽山の事故では、無くなった方の多くが噴石が当たった事による「損傷死」だったと言います。
入口に扉などが無いのは、急な噴火で人が押し寄せた場合でも入りやすいように、という事でしょうか。
噴火による有毒ガスや溶岩流には効果が無さそうですが、噴石を避けられるだけでもありがたい設備です。
観光客の多い場所のため、多数の噴石シェルターが設置されています。
御嶽山噴火などの世論の影響もあると思いますが、費用負担する自治体も大変だと思います。
中岳の噴火口は噴煙がもくもくと上がり、とても迫力のある火口でした。
地元のテレビ局にインタビューされている今回のメンバー。
中岳噴火口の観光とトイレを済ませ、砂千里ヶ浜の駐車場へ移動して登山を開始します。
植生がほとんど無い砂千里ヶ浜を歩いて、取り付く尾根を目指します。
見渡す限り砂が広がり、海は無いですが「浜」という名前がピッタリな場所です。
ここからようやく登山らしくなります。
谷間を進み、稜線に乗るまで急な登りが続きます。
流れ出た溶岩が冷えて固まったような、典型的な地形が見られます。
素晴らしい火山の景観に、なかなか足が進みません。
登山前に見た中岳火口も見下ろせる高さまで登ってきました。
稜線の上に出ると、隣にある根子岳(ねこだけ)が良く目立っていました。
翌日、帰札する前に登る予定です。
中岳火口と砂千里の雄大な眺めを見ながら稜線を歩いていきます。
ちょっと登るだけでこの絶景が見られると思うと、すごいお得感のあるコースです。
くじゅう連山も見えてきました。
あっという間に、中岳山頂に到着です。
中岳山頂からは、中岳火口を正面に見下ろす事が出来ます。
駐車場から近い位置で見るのも良いですが、こちらから俯瞰して見る方が、火口の迫力、風景の広がりを感じる事が出来て良かったです。
中岳の山頂から阿蘇山最高峰の高岳までは25分で到着です。
高岳山頂は広くなっており、たくさんの登山者で混雑しても休憩場所に困る事は無さそうです。
前日に登った祖母山方面が綺麗に見えていました。
尾平登山口から天狗岩経由で祖母山を登ったので、ルートが良く見えて分かりやすかったです。
登って来た中岳方面です。
高岳山頂からは、中岳に隠れて中岳噴火口が見えなくなります。
天気も良く風もない好条件、ゆっくりお昼休憩を取って下山を開始します。
今回は時間の関係で行きませんでいたが、正面の尾根続きの場所は高岳東峰で、「天狗の舞台」と呼ばれています。
奥にあるギザギザが根子岳、その向こうに祖母山が見えています。
下山は仙酔尾根(バカ尾根)を使います。
標高差約670m、岩のゴロゴロとした急斜面を下っていきます。
仙酔尾根からはくじゅう連山が綺麗に見えていました。
なんとなくひらがな表記に違和感があって、調べれ見ると「久住町(くじゅうまち)」と「九重町(ここのえまち)」の合意でひらがな表記になったとの事です。
他の名前も、「阿蘇くじゅう国立公園」やラムサール条約に登録されている「くじゅう坊ガツル・タデ原湿原」など、ひらがな表記になっています。
廃業した仙酔峡ロープウェイの支柱がいくつか残っています。
最後まで気の抜けない岩尾根が続いています。
まもなく駐車場という所で、狂い咲きの「ミヤマキリシマ」が見られました。
しかも他に数株咲いていたので、ここ数日の暖かさの影響でしょうか。
リンドウも咲いていました。
頭になにも付かないただの「リンドウ」、北海道に分布していないので見られると嬉しい花です。
仙酔峡の駐車場はとても広く、トイレとインフォメーションセンターがあります。
最後に下ってきた仙酔尾根を見上げて。
なかなかの急傾斜だったので、登りで使うのも大変そうです。
まとめ
- 火山規制によって火口周辺規制が入るので、入山前に要チェック!
- 展望は最高!くじゅう連山や祖母山、周囲の展望バッチリです。
- 仙酔尾根は急傾斜の岩尾根なので、注意して歩くこと。
最後まで御覧いただき、ありがとうございました。
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