登山ガイド【大雪高原温泉沼めぐり】日本一綺麗な紅葉コース ryuhei 2021年11月26日 今回は大雪山の中でも屈指の紅葉スポット「大雪高原温泉沼めぐりコース」についてご紹介したいと思います。毎年ハズレの無い綺麗な紅葉を見せてくれる場所で、紅葉期にはたくさんのハイカーで賑わっている場所です。もくじ [hide]大雪高原温泉とは紅葉の見頃はアクセス紅葉期のマイカー規制GPSログコースの様子(撮影日:9月21日、9月29日)まとめ大雪高原温泉とは 大雪高原温泉(だいせつこうげんおんせん)とは、北海道の上川町にある温泉になります。アクセス出来るのが、6月中旬から10月上旬までの短い期間で、標高1260mの高地に位置しています。大雪山の緑岳(みどりだけ)の登山口となる他、高原温泉沼めぐりコースの起点にもなっています。紅葉の見頃は 年によって変動がありますが、9月中旬〜下旬が見頃です。だいたい9月20日〜25日の間に紅葉のピークが来る感じがします。アクセス高原温泉までの町道高原温泉線が通行できるのが6月中旬~10月上旬で、それ以外の期間は長い冬季通行止めとなっております。大雪高原温泉の沼めぐりコースへの入山の際は、ヒグマ情報センターさんでレクチャーを受ける必要があります。また利用にあたって、いくつかのルールがあります。入山は7時から13時までで、15時までにヒグマ情報センターまで下山する事食事可能な場所は、⓵緑沼、⓶大学沼、⓷高原沼、の三カ所のみ。時間制限があると聞くと不安になると思いますが、各拠点から最終巡回でスタッフが下山してきますので、コース内に取り残される心配はありません。また食事場所が限定されているのは、ヒグマの誘引を防ぐためなので、ルールは厳守しましょう。コースの詳細は、ヒグマ情報センターさんのホームページに分かりやすく記載されています。 別リンク:ヒグマ情報センター紅葉期のマイカー規制紅葉時期のみですが、近くの銀泉台とセットで車両通行規制が行われています。日程は年によって変動がありますが、だいたい9月中旬~下旬頃に設定されています。大雪湖のレイクサイトに臨時の駐車場が設置されて、そこからシャトルバスに乗って、高原温泉へ向かう形となります。詳しくは下記の上川町のホームページを御覧ください。別リンク:紅葉期の車両通行規制GPSログ 今回は高原温泉沼めぐりコースを一周する行程をご紹介したいと思います。歩行距離が長いので、途中の緑沼や大学沼で引き返す方も多いです。一周約7㎞、私がお客様をご案内した時で、歩行時間4時間10分(休憩込み)でした。注:この年はコロナ禍で団体ツアーとのすれ違いが少なく、あまり時間がかかりませんでした。例年だともっと時間がかかります。こちらはヒグマ情報センターさんのホームページに記載されているMAPです。空沼(からぬま)から先が上級者向けとなっていますが、普段から登山している方は問題ないレベルです。コースの様子(撮影日:9月21日、9月29日) このコースは森林限界以下の森の中を歩きます。鮮やかなミネカエデやナナカマドのトンネルをくぐって進んで行きます。 沼巡りコースには木道が設置されており、歩きやすいコースとなっています。沼沿いの道なので、雨の後などはぬかるみが多いコースで、慣れた方は長靴で訪れる方も多いです。 ヤンベ分岐の手前でコースを横切る小川では、タイミングが合えば白い梅花藻(バイカモ)の花が見られます。 バイカモの横を良く見るとオショロコマも泳いでいます。ここのハイカーは頭上の紅葉に目が行きがちですが、足元にも見所がたくさんあります。 ヤンベタップ川の渡渉ポイントには、立派な橋があります。以前の橋は大雨の後に流されたりすることもありましたが、この橋になってからはあまり聞かなくなりました。 沼めぐりコース1番目に出てくるのが、この「土俵沼(どひょうぬま)」です。わりとこじんまりした小さな沼です。おそらく形が相撲の土俵に似ている事が名前の由来でしょう。 こちらはウキミクリの浮葉(ふよう)が良く目立つ、「芭蕉沼(ばしょうぬま)」。コースの2番目に出てくる沼です。名前の由来は、写真奥にも映っているミズバショウが咲くことから。 ここはいつも綺麗な紅葉が見られる「滝見沼(たきみぬま)」です。綺麗な紅葉が湖面に映って、素敵な景観になります。写真ではわかりませんが、滝見沼の奥に小さな滝があるのが名前の由来となっています。 コース最初のお食事&休憩ポイントの「緑沼(みどりぬま)」です。名前の由来は、沼の奥に緑岳が見えるのと、沼の周囲にアカエゾマツが多い事が由来です。 この沼めぐりコースの紅葉は、森の中にある事もあって風の影響が少なく、毎年安定して紅葉が綺麗に見られます。森林限界以上の紅葉は、台風や強風などで葉が傷んでしまい、年によっては綺麗にならない事もあります。 黄色の紅葉はダケカンバやミネカエデ、赤色の紅葉はナナカマドやオガラバナ。様々に色づく広葉樹と、常緑の針葉樹のコントラストがとても素敵な景観を作っています。 緑沼の次に見られる「鴨沼(かもぬま)」です。名前の由来はわかりませんが、たぶん鴨が湖面にいた事があったのでしょう。 「エゾ沼」はそこそこ大きな沼です。特に北海道の形をしている風には見えませんが、何故エゾ沼という名前なのでしょうか・・・。 高根ヶ原が間近に見えてきました。斜面には残雪も残り、紅葉と雪と青空という何とも贅沢な風景です。 「式部沼(しきぶぬま)」は紅葉と山の稜線と沼が一度に見られて、なかなかオススメの場所です。名前の式部の由来は良く分かりませんが、なんだか優雅な景色を見せてくれる場所です。 そして緑岳の左手側に、赤い外壁が目立つ「白雲岳避難小屋」が見えるスポットでもあります。展望の良い日は、この式部沼を見下ろすポイントから探してみて下さい。 2番目の休憩スポットの「大学沼」です。広い休憩スペースがありますが、ちょっと進むとこちらも休憩できる高原沼があります。 「高原沼(こうげんぬま)」は、沼の向こうに緑岳が見える素敵なロケーションです。コースを一周する場合は、ここが最後の休憩ポイント(※食事出来る場所)になります。 一周コースは高根ヶ原の縁に沿って進んで行きます。 沼めぐりコースの中で最大の規模を誇る「空沼(からぬま)」です。大きな沼なのですが、名前の通り秋には沼が干上がってしまうのが特徴です。 一周コースの起点と合流する手前に、「のぞき地獄」と呼ばれる箇所があります。 紅葉と煮えたぎる温泉が楽しめるポイントです。この一周コースは基本的に時計回りの一方通行ですが、こののぞき地獄までは例外的に逆回りが許可されています。まとめ高原温泉沼めぐりコースのオススメポイントをまとめてみました。毎年安定して綺麗な紅葉が見られる。山に登らなくても綺麗な紅葉が見られる(※多少のアップダウンがあり、足元はほぼ登山道ですが)熊が多い場所ですが、ヒグマ情報センターさんがしっかり管理しているので安心感がある個人的には日本で一番紅葉が綺麗な場所と言っても過言では無いと思っています。一度も行ったことの無い方には、ぜひオススメしたい大雪山の紅葉スポットでした。スポンサーリンク スポンサーリンク > 登山・ハイキング倶楽部 登山・ハイキング倶楽部では、登山ガイド・森林インストラクターの橋本竜平がご案内する、会員制のガイドツアーを実施しております。顔が見える範囲の少人数制で、自然を楽しみながら歩くことを目的として立ち上げた倶楽部です。もしよろしければ、一緒に山歩きを楽しんでみませんか?ツアースケジュールを確認する プライベートガイドを依頼する
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