今回は晩秋を代表するキノコ「なめこ」をご紹介したいと思います。
味も香りも良い食用キノコの代表で、森で出会うと嬉しい種類の一つです。
ナメコとは
名前:ナメコ(滑子)
学名:Pholiota microspora.
分類:モエギタケ科スギタケ属
日本、台湾、ヒマラヤ原産のキノコで、日本では人工栽培品が一般的に流通しており、食べる機会も少なくないと思います。
雪を間近にした晩秋の頃、北海道では10月~11月頃に、シラカバやブナ、イタヤカエデ、ミズナラなどの広葉樹の切り株や倒木に群生します。
自然発生のものは東北の日本海側のブナ林や、北海道などの雪国のイメージですが、沖縄より緯度の低い台湾にもあるのはちょっと意外でした。
北海道では札幌近郊でも見かけますが、ブナの天然分布のある道南で見る機会が多く感じます。
名前の由来
ナメコは全体がぬめりで覆われている事で、『滑らっこ(なめらっこ)』が由来となっています。
英語名ではなぜか「バタースコッチマッシュルーム」と呼ばれています。
味は全く違うので、てかりのある見た目から来ているのでしょうか。
ナメコの特徴
こちらはブナの倒木に発生したナメコの幼菌です。
ナメコは、ゼラチン質の粘性物質を分泌するため、子実体全体がぬめりで覆われています。
アップで見てみると、ゼリー状のつぶつぶが見えると思いますが、これは幼菌時にのみ見られる鱗片です。
ナメコと同じスギタケ属のキノコには、鱗片(りんぺん)があるものが多く見られます。
ちなみに、スギタケ属「Pholiota」は、鱗(うろこ)を意味するギリシア語「pholis」が由来となっています。
ナメコが食菌として優秀なのは、味も美味しく、群生するのでたくさん収穫できる点です。
市販品のなめこはまだ傘の開いていない状態ですが、天然ものは徐々に傘が開いていき、最後にはほとんど平らに開きます。
なめこは古くなると、次第に粘液を失っていきます。
傘の色は黄褐色~茶褐色ですが、古くなって粘液が無くなる頃には淡色になります。
徐々に白っぽく変化していく様子がわかると思います。
森の中で出会うと嬉しいキノコの一つです。
市販品は傘が開く前のナメコですが、これぐらいのサイズの方が食べ応えがあって、食感も楽しめます。
傘の裏側です。
ひだは直生で淡黄色~淡褐色。
私の企画するツアー時、収穫したナメコをみんなで分けている一コマです。
晩秋の登山の楽しみの一つですね。
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